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怪奇小説  野井戸 殺人事件  作者: 御影神吾
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二 井戸の中での会話

二 井戸の中での会話


 暫くして聞き取り難いが会話らしき声が聞こえてきた。


「そう・・こ・にい・・ぞ!」と大きな声が返ってきた。


「えっ!?会話が出来る??


「本当に誰か居るのですね?」と声を掛けると


「そ・だ」と再び返事があり、


「人と喋・る?…」


「お前・・だ?!だれ・・にやら・た」と先程とは違い、若い声が返ってきた。


「やられた?私は訓練中、誤ってこの井戸に落ち込みました。」


「そ・か・暖・で・・良かった・・」

 又聞き取りにくい口調で、別の声が聞え?私は、我が身の危険を忘れ以下の問答を試みた。 


問「皆様に尋ねますが、私の言葉が分りますか?貴方達の言葉には、意味不明な点もありますが、何んとか理解できます。何人か居るようですね。一人ずつ姓名を云って下さい!」


すると同時に声えが返ってきた。


問「同時に話されても分らないので、そう…年長者から応答して下さい。」


答「よし・・った。」

 

答「わ・りま・・ほん・・は・しが・・すか」


問「それでは、年長者の方から、姓名を云って下さい、それと何人いるのですか?」


答「わし・高岡村『荒木巌』博労や年・四十四歳じや・・こ・に三人・る」


問「ェ!三人も!?荒木さんですね。次の方、同じ質問です。」


答「本官、さが・きょ・さ二十一歳」


問「佐川?さんですか?仔細は後程聞きます、次の方同じ質問です。」


答「とみ・が・せいじ、二十歳・す、わ・しも殺され・・投げこ・・た。


問「『富永正治』さんも殺された!…?分かりました。皆さんとの会話にも少しは慣れ、内容も何とか聞き取れます、私は直ちに警察に知らせるので、今一度、犯人の名前と貴方達の、生前の住所及び、被害者と断定出来る、証拠の品物等を簡単に教えて下さい。


答「分かった!俺は『荒木巌』兵庫県加古郡高岡村出身、犯人は『渋谷熊吉』住所は俺のすぐ下じゃ、俺の特徴は、右奥上下に一本ずつ、金歯がある小野市の、山本歯科で確認して呉れ!」


問「荒木巌、金歯使用、山本歯科、犯人は、渋谷熊吉、…次は佐川さんですね」


答「そうだ!『佐川清正』です。姫路部隊見習士官、本籍地、香川県善通寺市、本官の特徴は、下顎両方共親知らず抜歯、それに証拠品として弾帯右側ポケットに『佐川』刻印の印鑑があるはず。

犯人は『三村義人』岡山県津山市と覚えている以上。」


『佐川清正』姫路部隊…善通寺市、抜歯、印鑑、三村軍曹、次は冨永さんですね?」


答「ハイと富永です。私は本籍、兵庫県加古郡高岡村、神戸大学生、父は当時村長をしていた。」


問「村長…神戸大学生、略、要点は覚えたが、これ以外に本人と証明できる品物等は有りますか?」


答「品物?そうだ『ベルトのバックル』大学の校章入り『神大』を基礎に作っているので分かるはず」


問『神大』の校章入りバックル…分かりました。後日貴方達と可様に会話が出来るのでしょうか?」


答「会話は分からないが?…早く此処から出してくれ!」


答「犯人を捜し逮捕して下さい、親に連絡を頼むよ」


答「何でも協力します。親元に帰りたい、宜しく頼みます。」


問「皆様お話を聞き辛いお気持を察し申し上げます。今後皆様のご無念を晴らす為、今から脱出に集中するので、暫く会話を中止します。」


答「分かった荒木だが、俺の遺体は牛舎に埋めているとか?探して呉れ」


答「ここから出たい親に知らせて呉れ。」


答「憎い犯人を逮捕して呉れ」


答「ここは寒い早く何とかして呉れ」


答「皆辛い哀しい思いをしている助けて呉れ」


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