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怪奇小説  野井戸 殺人事件  作者: 御影神吾
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まえがき

まえがき


お待せしました!皆様ご静粛にお願いします。


これより「ご遺体解明委員会」を代表されて、化学技術庁ご在籍の近藤正孝氏による協議結果のご報告をして頂きます。

よろしくお願い致します。


「僭越で御座いますが、只今紹介にあずかりました近藤でございます。

解明結果をお伝え致します。

皆様ご承知のとおり『奇跡体験の鬼頭勝氏』が髑髏から得た情報の信憑性について、委員方々から『非科学的事項』故に『疑問多く』種々意見もありましたが、先刻この場で行った『現物聞き取り検証』での高い解明率等を含め、全ての事項に関し評議検討した決果、多数の方々の賛同を得て『鬼頭氏』は間違いなく『髑髏と会話可能な人物』と認定された事を、御報告申し上げます」


この報告と同時に各新聞記者のカメラが私に集中、会場は騒然となった。


私は二ヶ月前の夜間訓練で井戸に転落、此処で起きた非科学的恐怖の体験を思い出していた。


この『野井戸』は昭和三十五年頃まさしく実際に存在し、私は小野市に住む友人を訪ねた折、この演習場内外を車の運転練習の為、走り回ったものです。  


『青野ヶ原演習場』は兵庫県加古川市、北部40km前後の位置にあり、東西約500m、南北約4km、高さ2~30mの偏平赤土の台地で、略中央南北に、約3kmの地道があり、病院北東約20mの位置に(周囲100m前後、名称皿池)水深の浅い雨水の溜まり池が有る。


台地の大半は落葉樹と松林、空地以外は雑草で覆われ、南端に『旧陸軍病院』の建物が今は『青野ヶ原病院』と名を替え営業をしている。


台地は季節の草花が咲き野鳥のさえずりや松の梢を吹き鳴らす風の音が爽やかに聞こえていた。


歳月は忘れたがある時、樹木の茂った木陰に行くと、そこに異様な姿の井戸があり、雑草越しに中を覗くと多数の蛙とゲンゴロウが棲み付き偶然蛙を咥えた蛇が外へ這だそうと壁面を登っていたが、壁面は冬季霜柱の発生の繰り返しで出来たのでしょう?


全て、オーバーハングの状態。


ここ迄登ると口に咥えた蛙の手足が壁に触れ動き、不安定な状態となり登り切れず、バシャ-と水音をたて、幾度となく水中に落ち込んでいた。


この様子を暫く見ていたが、おそらく最後は疲れきって溺死しただろう?正に、この井戸は小動物の命を取る魔の井戸と思われた。


ある日村人に、この『井戸』に付いて尋ねると戦前から「この辺で栽培する農作物に必要な水資源として数ヶ所の井戸を掘ったが、戦時中訓練の隊員が転落『水死事故』が多発したので大半の井戸は埋め戻されたが終戦後、食料増産を強いられ再び使用している」事を知らされた。


私は、数十年この『井戸と蛇』の関係が忘れられず、これを基に小説を書きましたが、ストーリーは全てフィクションであり『登場人物等』は架空名を使っています。


ストーリーに出てくる旧軍隊、自衛隊の組織及び行動、指揮命令系統、訓練の内容、兵器の名称等は旧軍隊に関連した書籍と、先輩の体験談から得た知識で書いているので、警察官の行動共々、現実と違う事も多々あると思います。ご了承ください。


『公共施設と著名な建物及び歴史上の行事等』は其の侭、使用していますが、小説を書く目的以外何の意図もありません。各自治体皆様のご理解をお願い申し上げる次第でございます。


人間は生まれつき誰にも察知できない運命があり、ここに登場する『鬼頭 勝』もその一人で、自衛官を志した故に『恐怖と数奇な運命』を体験する事となりました。                                    

                                ペンネーム 御影 神吾 



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