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プロローグ
『マルキニア大陸』と呼ばれる大陸のとある小さな村、そこにひっそりと石造りの教会が建っている。
壁は所々ひび割れ、植物の蔦が絡み付いている。
「ここが『彼女』が管理する教会ですデスか──」
教会の正面には、全身黒ずくめの奇妙な集団が佇んでいる。
教会の扉が開き、そこから修道女の姿をした少女が姿を見せた。
「どちら様ですか?このような廃れた教会に何かご用が?」
そう少女が訪ねると、黒ずくめの集団の一人が口を開く。
「どうもはじめまして、私は悪魔教団『十三司教』のひとり、第八司教のハムハルディー・アハトと言う者ですデス」
男がそう名乗り、少女に向かってうっすらと開いた視線を向ける。
「この教会の管理者である貴方を殺しに参りましたのですデス」
修道女の姿をした少女は、そっと教会の中に戻った。




