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歴史者シリーズ

渡辺さんは節分に豆まきをしなくていい

作者: リバー
掲載日:2026/07/08

皆さんは節分の日に豆まきをしますか?

私は四国に住んでいるのですが私の家では昔から豆まきをしていません。

けど私の友達は豆まきをする家が多かったり、地域のイベントでもよく豆まきをしているので別に地域の文化で豆まきをしないわけではないみたいです。

それではなんで家だけ豆まきをしないのでしょうか?

小さい頃からの疑問で私は最近ついに母にそのことを聞いてみました。

母が言うには曾祖母(ひいおばあちゃん)の頃からやっておらず理由はあまりわからないと言っておりました。

曾祖母はもうなくなっており話を聞くことができなかったのですが、祖母にも話を聞くことが出来ました。祖母は曾祖母から「日本中の鬼たちは「渡辺」という苗字を恐ろしく恐れるている」ということを何度も聞かされていた。と言っておりました。


確かに私の名字は渡辺です。けどなんで鬼たちは渡辺を恐れているのか、それは祖母もわからないと言っておりました。

そこで私は図書館で色々な文献を探してみました。

そこで分かったことについて物語形式にお話しようと思います。


平安時代の京の都。

当時は夜になると、大江山の酒呑童子しゅてんどうじ茨木童子いばらきどうじといった恐ろしい鬼たちが街に現れ、人々を恐怖に陥れていました。

しかし、そんな鬼たちが「あいつの前にだけは絶対に出るな」と、名前を聞くだけでガタガタと震え上がるお侍がいました。

それこそが、源頼光四天王の筆頭、渡辺綱わたなべのつなです。

ある年の暮れ、大江山の生き残りの鬼たちが、薄暗い洞窟の奥でコソコソと作戦会議を開いていました。


「おい、最近都の警護が薄いらしいぞ。今夜あたり、またひと暴れして宝を奪ってこようぜ」

「バカ言え! もしあいつに見つかったらどうするんだ!」

「あいつって……まさか、渡辺綱か?」


その名前が出た瞬間、洞窟の中の空気がピシリと凍りつきました。


「そうだ! 数年前、俺たちの兄貴分である茨木童子が羅生門で綱に襲われたとき、名刀『髭切』の一撃で片腕をズバッと根元から切り落とされたのを忘れたのか!?」

「ひぇぇ……あの時の兄貴の悲鳴、今思い出しても耳が痛てぇ……」


鬼たちは、腕を切り落とされた茨木童子の姿を思い出し、自分の腕をさすりながら青ざめました。


「しかも綱のやつ、切り落とした兄貴の腕を『手柄のコレクション』として箱に入れて、自分の屋敷に大事に飾ってたらしいぞ。人間なのに、鬼より恐ろしい男だ……」


しかし、一匹の気の荒い赤鬼が、悔しそうに床をドンと叩きました。


「だがよぉ、俺たちだって鬼だぞ! 人間の、それもたった一人の男に怯えてコソコソ暮らすなんて我慢できねぇ! 綱がいない場所を狙って、都をめちゃくちゃにしてやろうぜ!」

「よし、それなら綱が絶対にいない、都のはずれの小さな村を襲おう!」


こうして鬼たちは、渡辺綱の目を盗んで、夜の村へと繰り出すことにしました。

ところが、運の悪いことに、その夜は渡辺綱がたまたま馬に乗って、都のはずれを見回りしている日だったのです。

闇夜の中、鬼たちが「ウオオーン!」と声を上げて村の民家に近寄ろうとしたその時、パカパカと静かな、しかし力強い馬の足音が響いてきました。


「……夜更けに騒ぐ羽虫がいると思えば、大江山の泥棒猫どもか」


暗闇から現れたのは、白い満月の光に照らされた、息をのむほど美しい顔立ちのお侍。

腰には、鬼の血を吸い続けてきた伝説の刀が不気味に光っています。渡辺綱その人でした。


「ひ、ひええええっ!? 渡辺綱だーーーっ!!」


鬼たちは、一瞬で心臓が止まるかと思うほど驚きました。

「おい、落ち着け! 俺たちの方が数が多いんだ、囲んで叩き潰せ!」赤鬼が必死に仲間を鼓舞し、トゲトゲのついた大きな鉄棍棒を振り回して、綱の頭上へと振り下ろしました。

しかし、綱は表情一つ変えません。

カラン、と静かに刀のハバキを鳴らしたかと思うと、目にも留まらぬ速さで刀を抜き放ちました。

青い閃光が夜の闇を切り裂きます。

「がはああっ!?」次の瞬間、赤鬼が持っていた頑丈な鉄の棒が、まるで豆腐のように真っ二つに叩き切られ、地面に転がりました。

あまりの刀の鋭さと、綱の放つ恐ろしいプレッシャーに、他の鬼たちは一歩も動けなくなってしまいました。

綱は、刀についた細かな火花をフッと息で吹き消しながら、冷たい瞳で鬼たちを見下ろしました。


「命が惜しくば、今すぐ大江山の奥底へ帰るがいい。もし次に私の前に姿を現すか、あるいは私の名前を継ぐ者たちの領域に足を踏み入れたならば、その時はお前たちの首をすべて、我が刀の錆にしてくれよう」

「は、はいぃぃぃっ! 申し訳ありませんでした!!」


鬼たちは武器を投げ捨て、一目散に山の奥へと逃げ帰っていきました。

この夜の出来事は、日本中の鬼たちの間で瞬く間に広がりました。


「いいか、都には『渡辺綱』という化け物みたいに強い侍がいる」

「それだけじゃない。綱は『俺の苗字(渡辺)を継ぐ者たちの家にも来るな』と言っていた。あの一族に近づいたら、一瞬でバラバラにされるぞ!」


鬼たちの間で、「渡辺」という苗字は最大の禁句となり、恐怖の象徴となったのです。

それから何百年もの月日が流れました。

毎年、節分の日になると、人々は「鬼は外、福は内」と豆をまいて鬼を追い払います。

しかし、鬼たちは最初から「渡辺」と書かれた表札を見るだけで、恐怖のあまりガタガタ震えて近づくことすらできません。



どうでしたか?渡辺さんが豆まきをしない理由は渡辺綱が鬼にものすごく恐れられていたからなんですね。僕も驚きです。

渡辺綱が強すぎて、現代の「渡辺さん」まで鬼に恐れられているなんてめちゃめちゃかっこいいですよね。


今回のお話はここで終わりです!最後まで読んでくださり本当にありがとうございます!

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