表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【1章完結】お嬢様、私に拾わせていただけませんか  作者: 松平 ちこ
2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

90/97

第23話 異質な何か

「……丁重に……。彼女…貴重な……、継いで……」


「か……ました」


 遠く、誰かの声が、聞こえる。


「即物的な物は好まな……、仕方、ありまーー貴女が、選んだので……」


 さらりと頭を撫でる感触、続いて温かい何かが触れ、甘ったるい液体が、喉へと流し込まれた。




 ティールが目を覚ますと、白い天井が見えた。目隠しは外れていた。


 どのくらい寝ていたのか、分からない。

 何をしていたのかも、分からない。


 身体は、動かなかった。

 身動ぎをすれば、何かで身体を拘束されていた。


 右手がなぜか軽く感じたけれど、身体を起こすことが出来ず、視界に入らない。


《ーーろ》


「……?」


《受け入れろ》


 何かの声が、頭に響く。

 何を受け入れるのか、ティールには分からない。

 ふわふわとした夢心地のような思考の中、考えた。


《受け入れろ》


ーーそれは、自分を取り囲む、これを?


 目を閉じると、自分の中に巣くった、この異質な何かを感じる。自分の魔力とは別の何か。


 そのティール側、男たちの会話が聞こえてきた。

 そちらにティールが意識を向ければ、頭の中の声は聞こえなくなった。


「検体の移送手続きは……?」


「数日中には。港の方が騒がしく、冒険者ギルドが邪魔でして……」


「あぁ、副ギルド長か。アレはこちら側に染まらなかったな、面倒な」


 唸る男の一人、書類を持った男がティールに気づいた。その声はやけに平淡だった。


「これ、まだ自我が残ってます。どうしますか?」


「この島の設備じゃ、これ以上は無理だ。

 薬を飲ませて、丁重に運べと言うのが、上のお達しだ。何しろ貴重な二体目だからな」


 ティールの近くに寄ってきた白衣を着た男が、そう冷たく笑みを浮かべてティールを見た。


「ほら、飲んで眠れ」


 そして、甘ったるい液体が流し込まれた。

 まとわりつくようなそれに被さって、頭の中で声が響いた。


《受け入れろ》




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ