石蕗の花と美女桜
「落ち葉を踏みゆく 幼子の手を母握る」
ふふ、優しくして暖かい母に手を引かれて歩く幼子。体育で公園に行ったときに思いついたんだ。
私には…そんな記憶ほとんど残ってないけど。4人姉弟の1番上だし、物心ついた時から弟いたし。おまけに犬が5匹いる。わがままなんて言えないよ。
あの幼子を羨ましいと言ってしまえば私は哀れな子になってしまう。
でも、正直言って羨ましい。いいなぁ。
「秋風に煽られ落つ葉の音想い馳せて」
そんな気持ち、秋風に拐われちまえばいいんだわ。分かってるっつーの。
「馬鹿な女。」
分かってる。全部分かってるっつーの。
私は恋をし、深い穴に堕ちた。
侮辱と屈辱の雨が降り注ぐ中、祈れば始まるのさ。
どうせ冷たい風は私を放っては置けない、冬の日差しも石蕗の花もみんな同じ。
黒い美女桜?上等だ。喧嘩なら飼い慣らしてやるよ。
石蕗を手に入れるためなら女を捨てても構わないさ。
この恋が白昼夢に過ぎないなら私、食い尽くしてやるよ。
夢見がちなお姫サマよりも私は強いんだぜ?
私の魔力は、「弱きを守り、育て、送り出すこと」なのだろう。
小学生のときから決まってる。弱きは集まり群れて、強くなれば群れなくなる。
私の周りに集まれば、教えを乞いては、いつか私の元を離れてゆく。
どんなに愛して守って、教えてあげても私を置いてみんな何処かに行ってしまう。
私は誰よりも弱くて、寂しいだけなのかもしれない。
ならば私は強くなればいい。群れずに一人で狩りをする孤高の狼になればいい。
どうせみんな高校を出たら離れ離れになっちまうんだ。なら、後悔がない恋をすればいい。
どんなに釣り合わないとしても。私の恋は私が応援するし、私は私で居たいから。




