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第93話 食事中のちょっとした雑談①


ロズルトと食堂に向かいながら、船のデータについて話を聞いていた。


「船をハッキングしてデータを抜くことも可能なのか?」

「可能だ。だから船のセキュリティーは常に最新にしておかないと抜かれることになる。かなり面倒だが、これは必要なことだから手を抜かないようにな」


向こうは通信回線を利用して入ってくるそうで防ぎようがないと言う。ただ、入ってくると直ぐ警報が鳴って分かるそうで、その時は通信回線を切って防御するしかない。


「すると、逆も可能ということか?」

「こちらからハッキングするということか? 可能か不可能かと聞かれたら可能だ。でも船のセキュリティーはかなり高いので簡単に突破することはできないぞ。時間を掛ければ相手に気が付かれ回線を落とされるので短時間が勝負となる。時間にして1分以内。そんなことができる人間はいないけどな」


ハッキング用のソフトを使えば一瞬なんだそうだが、最新のセキュリティーには対応できてないので使うことは無いと言う。古いと危ないそうだ。


「ハッキングで相手を乗っ取ることは?」

「それは無理だな。乗っ取ると言うことは常に回線を接続しておかなければならない。物理的に回線を落とされたらそれで終わりだ。それにマニュアルで船を動かすこともできるので乗っ取るというのは現実的に無理なんだ。昔は船のAIを無理矢理書き換えてコントロールを奪うという方法もあったが、今はAIを切り離すことができるので、そういったこともできなくなった。乗っ取るというのできない」


アニメとかで戦艦を乗っ取るシーンがあったが現実的には無理だったか。

マニュアル操作に切り替えれば船は動かせるので、船のコントロールを奪うということもできない。

まぁ、普通に考えればそんな危険なこと直ぐに対処するよな。船が乗っ取られるなんてあってはならないことだ。だからマニュアル操作ができるようにしてあるのだろう。こういったことに対処できるようにと。



食堂に着くと早速食事の準備をする。

家庭用自動調理器が設置してあり、メニューを見てボタンを押す。今日は肉の気分なのでステーキとパンを選んだ。肉は300グラム。その代わりパンを少し多めにした。

ロズルトも同じ物を選び、その代わり肉は450グラムにしている。


「狭いな……」


テーブルに料理を置き、辺りを見回す。

大きなテーブルが1つあるだけで、後は家のキッチンと同じだ。冷蔵庫と食器棚があり、特別変わった物はない。


「小型戦闘艦の内装なんてこんな物だ」


向かいにロズルトが座り食事をする。

味はというと……美味しくない。

油が多くてねっとりしている。肉もパサパサで柔らかすぎるし食感がない。

戦艦に積んである業務用に慣れてしまったのか、味の違いに驚いている。

同じ食材を使っているのどうして味に差がでるのか。これなら自分で調理したほうがいくらかましだ。惑星で食べていた料理でもここまで酷くない。


「……不味いな」


ロズルトがぼやく。

俺も頷いた。


「自動調理器が違うだけで味に差がでるんだな」

「グレードがあるからな。安い奴はどうしても味が劣る。美味しい物を食べたいのであれば高いのを買うしか無い」


自動調理器は高い。

だから冒険者は食べれば良いと割り切って買っている。

それだけの予算が無いからだ。


「この後は入管ステーションに向かっているとか」

「ああ。ここから2日ほどの距離で遠くはない。そこで入管申請をして通れば星系内に入れる。それまでそこで待機だな」

「はぁ、何か面倒臭いことをするんだな」

「不審船を星系内に入れないための処置だ。申請が無い船は海賊船として撃沈されるので、必ず申請する必要がある。間違っても素通りはできないぞ」


申請するとその情報が星系軍に渡り、巡回中に発見されても止められることはない。

だから必ず申請する必要がある。


「それだけではないぞ。入管ステーションは税関の役割もしており禁制品のチェックもしている。危険な物は持ち込めないから注意しろ」


大抵は薬物関係だと言う。

麻薬や危険ドラッグとかあってそれを持ち込む連中がいる。

そういった物が積んでないか検品する。見つかれば罰金・没収される。多いとその場で逮捕だとか。

ただし、自衛用の武器類はOKらしい。その代わり量が多いと調べられ、目的理由がハッキリしない物は没収されてしまう。銃の1つや2つならOKだが、20.30となると販売目的と疑われて没収されてしまう。販売できるのは領主から許可を貰った商人だけ。誰でも売れる物では無い。


「日本の関税と同じと言うことか。そういえば身分証を持っていないが入れるのか?」

「身分証は必要ない。そもそも持っている人の方が少ないぐらいだから気にするな。乗員名簿に登録されていれば問題ない」

「そうなのか? ああいうところは五月蠅いと思っていたが」

「宇宙ステーションや交易コロニーは色んな国や星系から人が集まってくる。だから身分証を見せてもそれが本物か偽物か直ぐに判別できない。それに持っていない人が多いから、制限したら誰も入れなくなる。特に商人が入れないと市民が困るだろ? 物資が入荷しないからな。だから犯罪者として指名手配されていない限りは、自由に出入りできるようになっている」


経済発達のため、そういった制限はしないことにしているのか。

でも、誰でも入れるというのはちょっと怖い気がするが大丈夫なんだろうか?

治安に影響が出そうだが。



ご覧いただきありがとうございます。


……ストックが無くなりました。

毎日アップできるように頑張っていますが、追い付かない現状です。

更新頻度は下がると思いますが、気長に付き合って下さると嬉しいです。

ついでに評価もしてくれると嬉しいです。

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