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第85話 クリフト・ベルマン大尉①


「かなり混乱しているようね」

「まさかここまで腐っているとは思っても見なかったよ」


ドラギニス軍が攻めてきたと聞いた時には驚いたが、それ以上に謀叛に賛同する兵士が多かった事の方が驚いた。

かなりの数が寝返ったと言うが。


「そうね。こちらで調べたら8部隊ほど向こうに付いたみたい。通信施設も抑えられ、どことも連絡がつかないそうよ」


ちょっと呆れる感じで言われたが、仕方がない。俺も呆れているのだから。


「やれやれだな。応援も呼べないのか。帝国軍の方は?」

「宙域外で集結しているのは掴んだわ。でも介入してくるかは不明。星系内に入れば、こちらの仕事ですから」

「はあ、面倒臭いな。全部一つに纏めればよいのに」

「それは無理な話よ。帝国軍だって人が無限にいるわけではないもの。こちらで賄えるのであればこちらでやって欲しい。それに費用もその分減らせるからね。そのために領主に軍の権限を与えているのですから。それは貴方も分かっているでしょ? クリフト・ベルマン大尉殿」

「クリフトで結構だ」

「では、クリフト殿。我々と協力して頂くことでよろしいですか?」


俺を助けてくれたのは皮肉にも革命軍だった。

連行されたところを見ており、後を付けて救助してくれたのだ。

その後は革命軍に匿われており、今日はそのリーダーと話すためにここへ連れてこられた。

どこかのビルの一室で、高貴なご婦人がソファーに腰を掛けて待っていた。


「協力もなにも今の俺は軍に追われる身、何もできないと思うが」

「そんなことはないでしょ。軍から追われたとしても貴方が一声掛ければ人は集まってくるはず。そうでしょ? 大尉殿」

「買いかぶりすぎでないか。俺にそんな人徳はないと思うが」

「謙遜されなくてもよろしくてよ。その証拠に貴方の部隊が血眼になって貴方を捜しているそうよ。命令違反を犯してまでも貴方の足取りを調べているわ。慕われてなければそこまではしないでしょ?」

「はあ……困った連中だ」


それを聞いてちょっとだけ頬が緩んだが、危ないことをしているので正直やめて欲しかった。

今はザイラ・バーツ大佐が実権を握っている。軍規違反はいとも簡単に処刑ができるのだ。

まぁ、そんなこと言っても止めるような連中でないことは俺が一番よく知っている。

無事を知らせ、早く止めさせないといけない。


「それで、俺に何をしろと?」

「貴方の地上部隊を動かして欲しいの。できれば閉鎖されている空港を開放して頂きたい。その代わり我々は通信施設を抑えるわ」


まさか空港を奪えとは。

空港はこの惑星の最重要施設。警備も厳重で簡単に落とせるようなところではない。


「空港を開放してどうする?」

「取りあえずは市民を逃がすわ。ドラギニス軍が攻めてきて被害を被るのは一般市民ですから。関係ない市民にはここから出て貰い領都に向かって貰う予定です」

「だが、全市民は無理だぞ。それだけのシャトルもないし」


空港には惑星間航行用の民間シャトルがあるが、数に限りがあるはず。

この惑星の全市民を乗せるなどできない。


「ええ、分かっているわ。だから子供、女性を優先して出て行って貰う。残りはシェルターにでも隠れて貰うわ。救援が来るまでは」

「……来ると思うか?」

「それが私たちの作戦だったでしょ? 貴方から貰ったデータを渡せば領主殿は動くはず。それまでは私たちだけで耐えなければならないのです」

「……」


そう言われたら協力しないわけにはいけない。

これでも軍人だからね。

市民を守るのが仕事だ。


「部隊と連絡を取りたいが」

「今は監視が付いているので無理だわ。貴方の方から会いに行くのは危険だと思う。私たちの仲間を連絡要員として出すので、どこかで落ち合うと良いでしょう」

「さすがミチェイエル殿。段取りが良いね。俺たちはいらないのではないか?」


名前は知っていたが、お互い合うのは初めてだった。

何度か人を介して連絡は取り合っていたが、こうして会うと威厳があり、ただのご婦人でないのがわかる。頭の回転も速く、カリスマ性を感じる。

俺たちが手を焼くのも頷ける。それに、軍で調べてもこのミチェイエルの経歴は分からなかった。ミチェイエルという名前も本名か、怪しいところだ。


「そんなことはありません。我々だけではあの厳重な空港を奪うことはできません。それに貴方が呼びかければ、空港を警備している航宙部隊も味方に付けることは可能では?」

「航宙部隊の管理はザイラ・バーツ大佐の管轄だ。俺の声がどこまで届くかは分からない」


俺の仕事は惑星内の治安維持。(そら)でのドンパチは対象外だ。だから俺の指示に従う部隊は少ないだろう。


「それでも空港だけは抑えて下さい。市民の避難には必須ですから。貴方の地上部隊だけで対応は可能かしら?」

「戦艦が停泊していなければなんとかやれるが、しかし仲間と戦うとか。できれば避けたいが……」

「それは貴方の声が届けば可能ではありませんか? 私たちも無駄な血は流したくは無いので投降を呼びかけてください。そのために貴方がいるのですから」


そう言ってニコッと微笑む。

さすがレジスタンスのリーダーだ。人使いが荒い。星系軍までこき使うのだから。



ご覧いただきありがとうございます。


……ストックが無くなりました。

毎日アップできるように頑張っていますが、追い付かない現状です。

更新頻度は下がると思いますが、気長に付き合って下さると嬉しいです。

ついでに評価もしてくれると嬉しいです。

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