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第79話 ダンジョンコアとの会合②


全員がモニターを凝視するなか、俺は話を続けた。


「簡単に自己紹介でもしてくれ」

『かしこまりました。私はこの船を制御してる()()、個体番号は10110です。みなさん、お見知り置きを』


そう言って軽く頭を下げた。

どうやら話しは聞いていたようで、俺に()()()()くれるようだ。

ただ、新たな事実。個体番号があるとは知らなかった。

そういえばコア自身のことはあまり聞いていなかったな。役割とかは聞いていたが、個体番号があるとは知らなかった。

しかも1万とか言っているし、それだけの数のコアが製造されたということだ。

どれだけの数が生存しているかわからないが、結構な数が残っているかもしれない。このコアのように。

面倒になるので、どこかで出会わないことを願うばかりだ。


「あなたがこの船のAIなの?」


最初に質問したのはエミリーだった。

好奇心旺盛というか、物怖じしない性格のようだ。

他の2人は状況を見極めているというか、成り行きを見守っている感じで口を閉じていた。


『そうです。エミリー様』

「あら、名前を覚えているの?」

『この船に乗船されている方の名簿はデーターベースに登録されています。そこから参照していますので、覚えると言うほどのことではありません』

「データーベースねえ……それってこの船のことを全て知っている、という意味からしら?」

『データーベースに登録されていることでしたら、という意味でしたらそうです』


それを聞いて「ふーん」と言っている。

何か思うところでもあるようだ。


「俺からも質問して良いか?」

『どうぞ、ロズルト様』

「ブリッジで俺と話していたのはお前か?」

『そうでもあり、そうでもありません』

「どういうことだ?」

『基本的な制御は、この船に付けられたAIが行っており、私は船が必要とした時のみ介入するようにしています。ですので、そうでもあり、そうでもないのです』

「……」


無言になってしまった。

恐らくだが混乱しているのだろう。

今まで話していたのはどっちか、悩んでいるのだ。


「ジェネレーターの出力が上がらないのも、お前がやっているのか?」


グランバーが質問した。

やはり一番気になるのはそこだろう。

散々苦労してきたのだから。


『そうです』

「どうしてそのようなことをするのか説明をして貰えるか」

『一言で言えば、あなた方は危険だからです。ですのでこの船の力を渡すことができません』


意外な言葉が帰ってきたことで驚いている。

いきなり危険だと言われても何の事かわからず納得できないだろう。

彼には珍しく、少し興奮して質問を続けていた。


「どうして俺たちが危険なんだ? 俺たちは何もやっていないが」

『あなた方はこの船の力を手に入れて何をするのですか?』

「何をするってそれは……」


言葉が詰まった。

何に使うか分かっているからだ。

戦争に使う。

だから答えられないのだ。


「この力を使えば多くの血が流れることになるでしょう。あなたはこの力を戦争に使わないと約束できますか?」

「そ、それは……」


答えられない。それは無理だと分かっているからだ。

これだけ高出力を出せるジェネレーターを軍事利用しない手は無い。誰もが考える事だ。

グランバーだってそう思っているはずだ。

戦争に使えないかと。


「現に私は戦艦に改造されました。私たちはそれを望んでいないのに。ですので、この力は使えないようにしているのです』

「……」


そもそも古代船は探査船であって侵略兵器では無い。

言われてみると当然と言えば当然な訳で、使えないからといって文句を言うのはお門違いというものだ。

古代船は戦争の道具ではないのだから。


「結局は古代船とは何なんだ? どうやってお前は作られたのだ?」


おっ、核心を突いて来たな。

本当の事を話し全てを打ち明けるか。それとも俺みたいに誤魔化すか。

果たしてどう答えるか見物だった。


『それについてはお答えできません。あなた様はそれを聞くための資格をお持ちでは無いので』

「資格? 資格とは何だ?」

「資格は資格です。あなた方はそれをお持ちになっておりません。ですのでお答えすることはできません」


資格と言っても何のことを言っているか分からない。

俺も分からないし、そもそも俺に資格があるとも思えない。

でも、考えられるとしたら魔力のことかな?

彼らは殆ど魔力を持っていないから答えられないと。

うーん、ちょっと理由としては弱いかも知れないが、それしか思い浮かばなかった。


「資格を得るにはどうすれば良い?」

『この世界の方では無理です。何もお持ちでは無いので』

「この男は持っているということか?」


俺の方を指差すが俺も分からないので黙って聞いていた。


『そうです』


おいおい、変なことを言うなよ。

後が面倒になるだろ。


「お前は持っているのか?」


俺の方を見て尋ねるが、何のことか分からず首を傾げた。

だから思っていたことを口にした。


「考えられるとしたら魔力かな?」

「魔力? 魔法を使うときに必要なあれか?」


俺はコクリと頷いた。


「俺と君たちが違うのは魔法が使えるかどうか。だから魔力と思ったんだが……」

「魔力か……それは鍛えれば覚えられる物なんだろ?」

「少しなら。だが、大量になると無理だ。その事を言っているのであればだけど」

「そうなのか?」

『……』


ダンジョンコアに尋ねるが微笑んでいるだけで答えなかった。

確かにダンジョンコアを動かすには魔力が必要だ。

そのことを言っているのではと思ったのだが……違うのか?

でも、まあどちらでも良い。それでグランバーが納得してくれるのであれば。


「俺たちは魔力が無いから答えられないと。だとすると、彼が艦長に選ばれたのはそういうことか? 魔力があるから艦長に選んだというのか?」

『……』


これも答えない。

ずるいわ。コアだからできるのであって、俺がそれをやったら拳が飛んで来るよ。

黙秘みたいなものだから。



ご覧いただきありがとうございます。

書くのが遅くて申し訳ございません。

気長に付き合って下さると嬉しいです。ついでに評価もしてくれると嬉しいです。

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