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第70話 舞台の裏側②


星系軍から報告があり、星系外宙域では帝国軍の艦隊が集結した。


「なぜ、ここまで侵攻されていて気が付かなかったのだ?」


帝国軍第11方面司令官、ベルンハルド・ベイロン少将は部下の報告を聞いて呆れかえっていた。


「それが亜空間ハイウェー近くに敵の艦が攻めてきたことで、巡回の艦隊をそちらの防衛に回しました。その瞬間を狙って侵攻したようです」

「監視衛星が機能していない場所を選んできたか」


星系内の亜空間通信が使えないことで、4分の1ほどの監視衛星が使えなくなった。

そのせいで敵艦が来ても通報が飛ばず、侵攻を許した形になった。


「それでドラギニス軍はどこまで侵攻している?」

「現在、第4惑星を通過。第3惑星に侵攻中とのことです」

「こちらの完全な手落ちだ。艦隊を集結させろ。それとこれ以上ドラギニス軍を星系内に入れるな。巡回を強化しろ。星系軍の司令部とは連絡は取れたか?」

「連絡が取れません」

「敵の手に落ちたということか……」


この状況は向こうも分かっているはず。

連絡が付かないということは、第2惑星で何かあったということだ。


「連絡を寄越した部隊は?」

「第3惑星に駐留している部隊です。司令部と連絡が付かなくなったので、こちらに応援の要請が来ました。如何しましょう?」

「勝手に星系内に入ることはできない。ここの管轄の領主殿の許可がいる。星系内の治安は領主殿の勤めだからな。だから領主殿の許可を貰うように伝えろ。依頼が来れば救助に向かうと」


我々と戦闘し星系内に入れば追うこともできるが、何もしていないのに星系内に入るのは帝国法に触れる。ただ、領主殿から応援依頼が届けば別だが、そういった要請はまだ届いていない。勝手に入ることはできないのだ。

例えこちらの手落ちで侵攻を許してもだ。


「後で苦情が来るな。降格も覚悟しておかないと」


外敵から星系を守るのが帝国軍の仕事で、本来であれば星系内に入られる前に叩かないといけないはずだったが侵攻を許してしまった。如何なる事情があろうとも、こちらのミスである。


「要請が届き次第、直ぐに動けるように。それと帝都の総司令部と通信を。状況を報告する」

「了解しました」

「星系軍の司令部は?」

「状況を確認するにも星系内に入るには許可がいる。今は放っておけ。それよりもドラギニス軍を叩く方が先決だ」


確認のため調査船を飛ばすこともできるが、司令部が敵の手に落ちている場合を考えると、下手に手を出さない方が良い。それに確認は我々の仕事では無い。領主殿がすることだ。その結果を聞いてどう対処するか、それも領主殿が判断する。我々は依頼が来るまで待つことになる。司令部が敵の手に落ちていても、手を出すことはしない。


「所属不明艦はどうしますか? 一応、追跡はさせていますが」

「元を正せばその艦が我々の宙域に来たことが原因だったな。敵国のスパイが乗っていると星系軍から報告を受けていたが……」


向こうの司令官から、「スパイを取り逃がした。戦艦でそちらに向かっているから処理を頼む」と言ってきた。処理とは即ち『沈める』ということだが、なぜ戦艦1隻を取り逃がしたのか疑問はあった。

星系軍とはいえ、それなりの戦力を持っているはず。逃がすなど考えられない事だ。

だが、要請を受ければ断ることはできない。星系外に来れば我々の仕事になるからだ。


「星系軍の司令官よりそう聞いております。ですが、ちょっとおかしな点がいくつか報告が上がっています」

「何だ?」

「敵艦と接触した艦隊から、何でも代官の悪政を領主に伝えに行きたいから亜空間ハイウェーを使わせて欲しいと要請があったそうです」

「悪政に苦しんでいる? そんな報告は聞いていないが」

「はい。こちらでも調べましたがそんな情報は届いていないです。ですから嘘では無いかと判断し、断ったそうです」

「妥当な判断だな」

「ですが、敵艦がなぜそんな嘘を言うのか疑問が残ります。少し調べれば分かるような嘘を。ですが、今の状況を考えると……」

「まんざら嘘では無い、そう言いたいのか?」

「はい。それに敵艦は我々に対して攻撃はしてこなかったそうです。逃げるだけで反撃もしてこなかったと。それにその戦艦の性能も聞いています。こちらの攻撃がかなり当たったそうですがシールドは落ちなかったと聞きます。そんな戦艦がなぜそんなことを言うのか。それに乗船しているクルーも軍人では無く普通の市民に見えたと」

「なるほど。そう言われると確かにおかしいな。報告書には上がっているか?」

「はい。戦艦テリューシュの艦長から」

「テリューシュというとニコラス・ヘルリッヒ中佐か。前回の作戦で活躍した人物だな。1部隊だけで戦艦5隻を撃沈したとか。後で報告書を届けるように」

「了解しました」


領内の内政に口を挟むことはできないが本当のことだと厄介なことになる。

それに向こうの司令部と連絡がつかないのも、よく考えるとおかしい。


全て繋がりがあるのか?


どうやらその戦艦と、もう一度話しをする必要がありそうだ。


「追跡している艦隊に通信を」



ご覧いただきありがとうございます。

書くのが遅くて申し訳ございません。

気長に付き合って下さると嬉しいです。ついでに評価もしてくれると嬉しいです。

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