第63話 この世界の戦争①
あれから小惑星帯まで逃げてきた。
何とか小惑星の影に隠れることができたが、ジェネレーターも完全に止まってしまい、半ば漂流しているような状態になっていた。
俺はというと、手伝えることもないので休憩室でエミリーとお茶を飲んでいた。
そのエミリーもジェネレーターが動かないことには何もできないので休憩している。
「どうだ、船の調子は?」
「駄目ね。ジェネレーターが動かないわ」
いくら起動しようとしても、うんともすんとも言わないらしい。
完全に沈黙しているそうだ。
博士がジェネレーターを調べたところ、故障はしていないようなので何か別の要因があるらしいが、さっぱり分からないと言っている。
今もブリッジで調べているそうだ。
「博士は大丈夫か? 寝てないと聞いているけど」
「そうね、あれから寝ていないわね。食事も持って行かないと食べないそうよ」
「そんなに必死になって調べなくても、と思うが……」
原因を知っているだけに、ちょっとだけ申し訳ない感じがした。
「それだけではないと思うわよ。古代船を調べるのは半分博士の趣味みたいなものだから。前にも5日ぐらい徹夜していたからね。博士の古代船好きも困ったものだわ。三度の飯より古代船が好きなんだから」
エミリーが首を左右に振って呆れた顔をする。
何でも今日始まったことではないので、周りもそんなに心配はしていないそうだ。
「ところで船のジェネレーターが止まっても大丈夫なの? 死んだりしない?」
ちょっと心配になって聞いてみた。
ジェネレーターが止まれば全てのシステムが止まる。そうなると生命維持装置も止まるので、空調が働かず酸素が供給できない。
窒息して死んでしまうかも。
そんなことを考えていた。
「そんなわけ無いでしょ」
ちょっと呆れた感じで言われてしまった。
そんなことを言われても戦艦に詳しくないのでね。
ついでなので色々と教えてもらうことにした。
「ジェネレーターはね、2つあるのよ。メインとサブと。もちろんメインは航行や攻撃・防御に使うの。レーザーを撃ったりシールドを張ったり後はワープとかにね。サブはそれ以外に使うの。例えば生命維持装置や重力制御装置、艦内の照明、自動調理器など、生活に必要な物に使っているの。だからメインのジェネレーターが止まっても艦内の生活に支障が出ることはないわ。どちらかのジェネレーターが稼働していれば死ぬことはないわよ」
「へえ、そうなんだ。てっきり1つしか無いかと思っていたよ」
「1つしかないと点検するときに困るでしょ。だからどんな船にも最低2つは付いているわ。メインとサブ」
普通に考えれば当然と言えば当然か。
何かあったときのはバックアップは必要だ。
ジェネレーターが1つで止まったら終わりでは怖いからね。
教えてもらい納得した。
「それで例えばだけど、サブをメインに回したりできるの? 出力が足りないときとかに」
「基本はできないわね。サブは生命維持装置とかに繋がっているのよ。メインに出力を渡したらそれが止まることになるわ。だから回すような事はしない。それにサブといってもメインのジェネレーターの10分の1も出力が出ないの。だから助けにもならないわね」
大きなジェネレーターではないので戦闘とかに使えないそうだ。
あくまでも艦内で使うエネルギーを供給するためだけに付けている物で、戦闘で使うことは想定されていない。
だから戦闘中はサブのことは考えていないということだ。
「でも、その逆は可能よ。サブが止まったときはメインから供給することはできるわ。命に関わることだからね」
なるほど、一方通行ということか。
サブからは回せないがメインからは回せると。
容量を考えれば、それぐらいは何ともないのか。
「そういえばさっきの戦闘で戦闘機が出ていなかったが戦艦には積んでいないのか? 艦載機とか」
「積んでいるわよ。小型戦闘艦と一緒に多分数機だけど」
「それじゃ、どうして戦闘は参加しないのだ? 戦艦といえば戦闘機で戦うものではないのか?」
「あら、シューイチの世界ではそれが一般的なのかしら?」
「一般的はどうかは知らないが、戦争では戦艦よりも戦闘機が活躍していたな。爆弾を積んで戦艦の上に落としたり、魚雷を積んで海から攻撃していた。ここではそういった攻撃はしないのか?」
「しないわね。戦艦には強力なシールドがあるのよ。そのぐらいの攻撃ではびくともしないわ。だから戦闘機が出る場合は、奇襲をかける時とか、向こうが戦闘機や小型戦闘艦を出して来た時ぐらいかしら」
「奇襲を掛けるとき?」
「そう。戦艦がシールドを張る前に攻撃するの。隙を突いてね。後は艦を破壊せず拿捕するときにも使うかしら。主砲では威力がありすぎて沈めちゃうから」
大抵はシールドを落とせば降伏するが、中には往生際が悪い連中もいるので、そういう時は戦闘機で攻撃するとか。
場合に寄っては乗り込んで制圧もするらしい。
「へえ、以外だったな。もっと戦闘機が活躍しているかと思ったが」
「戦艦のシールドは小型の戦闘機では破れないわ。だから使うことが少ないの。特別な時だけに使う感じかしら」
「なるほどね……」
そういえば、どっかの博士が戦艦のシールドを破る小型レーザー砲を開発しているとか。あれは完成したのだろうか?
完成すれば、今の戦闘が根本的に変わるだろう。それこそ戦闘機の時代に。
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書くのが遅くて申し訳ございません。
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