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第48話 2人組


疲れたので休憩室に入りお茶を啜っていると、見たことがある2人組が入ってきた。

一緒に戦艦を強奪した仲間で、若いレジスタンスの2人組だ。

何だか落ち着かない様子で歩いていた。

初めての場所で戸惑っているのかもしれない。


「よう。お前達もか?」


俺が手を上げて声を掛けると、俺の存在に気が付た2人が苦笑いを浮かべながら近寄ってきた。


「シューイチさんもですか?」

「まあな。ミチェイエルさんに言われたら断れないだろ。それに乗りかかった船だしな、船だけに」

「「ハハハ……」」


2人が苦笑している。

オヤジギャグは受けなかったようだ。


「しかし、お前達も大変だな。本来は情報収集が仕事なんだろ?」

「はい。俺たちは敵の基地に潜り、情報を集めるのが仕事で、戦艦など乗ったことが無くて戸惑っていたところです」


2人組の背の低い方が答える。

隠密行動が得意と聞いていたから諜報部の人間なんだろう。それで戦艦に乗っていればやることはない。情報収集などの仕事は全部ブリッジのオペレータの仕事なんだから。


「それじゃ俺と同じでやることは無いな。1ヶ月暇なわけだ」

「実はそうでも無くて。一応、仕事はあります。遊ばせておくほど人に余裕はないので」


戦闘艦部隊に配属が変わった時点で仕事が振られたようだ。可哀想に。

俺はレジスタンスではないのでそういう縛りは無いが。


「何の仕事だ?」

「戦艦の調理部門に……」


ああ、調理なら自動調理器があるので専門的な技術がいらないと、そういうことか。

しかし、諜報部から調理部門か。

そりゃ、戸惑うわけだよな。

無理も無い。


「まあ、何というかご愁傷様?」

「ハハハ……」


力なく笑う。こんなことをする為にレジスタンスに入ったわけでは無いだろうに。


「こんなこと聞いて良いのか分からないが、どうして君たちはレジスタンスに? まだ若いだろ?」

「自分は21です。こいつは19です」


2人のうちの1人、背が高く、ひょろりとしている方の青年が19才。

それよりも背が低く、肉付きが良い方の青年が21才なんだそうだ。

それにしても若いな。

そんな2人が諜報部員とか。かなり危険な仕事なのに。


「俺たちは今の政策に反対し、レジスタンスに入ったのです」


背が高い方の青年の家は貧乏で、生活保護を受けていたそうだがそれが打ち切られ、困っていたところレジスタンスの仲間に拾われた。それが切っ掛けで入ったと言う。


「俺は……」


もう1人の方は、街で小さな食料品店をやっていたそうだが、税金が上がり、税が払えなくなって潰れたそうだ。それが原因で父親が死に、母親と2人になったが、その母親も病気になり亡くなったそうだ。

医療機器が使えれば助けられたかも知れないが、お金が無くて使えなかったと。悔しい表情で話す。

全ての原因はあの代官のせいで、それで志願して入ったと言う。

父親の死については詳しく聞かなかったが、雰囲気的にいっても自殺だろう。それで母親も落胆し、病気になったのかもしれない。

代官に家庭を壊されたのだ。そりゃ恨むわけだ。


「そうか、悪いことを聞いたな」

「いえ、俺らは全然。もっと酷いことされた人も居ますから」


税の代わりに娘を取られた人も居るという。

おいおい、いつの時代の話だ。そんなことがこの時代にあるとは。


「だから市民がこれだけ協力的なのか」


資金は市民から出ていると聞いたが、どうりで協力者が多いわけだ。

こんな事をされたら黙ってはいられないだろう。


「それだけでは無いです。最近では星系軍の中にも協力者が増え、手を貸して貰えるようになりました。はっきりって今の星系軍はバラバラの状態なんです」


星系軍の中にも今の代官のやり方に納得できず、反発している人も居る。

そういった人達が手を貸してくれているので、戦局的には昔より有利になっているという。本気でやりやっていないのが現状なんだとかで、こちらの作戦にも協力的だとか。

だから今回の作戦を実行したのかもしれない。


「戦艦強奪も、手を貸してくれてたりするのか?」

「そこまでは分かりません。ただ、俺たちが思ったのは警備の人が以外と少なかったな、ぐらいしか。前に調べた時はもっと居たような気がして」


なるほど。

どうりでスムーズにいったわけだ。

誰か知らないが裏から手を回していたのかも知れない。

それなら納得だ。

さすが諜報部員だけあって、情報収集もお手の物のようだ。


「すると、今は星系軍と連絡を取り合っているのか?」

「すいません。それ以上は極秘事項なのでお教えすることはできません。申し訳ありません」


そう言って頭を下げる2人。

そうだよな、連絡を取り合っているなんて事が知れ渡ったら、協力してくれている星系軍の人達を危険に晒す。犯人捜しが始まるのだから。

でも、その答えはYESと言っているようなものだぞ。

この場合は否定しないとな。


この後彼らは、研修があるとかで食堂に行った。

俺はやることがないので自分の部屋で休むことにした。

今日から泊まっても良いということなのでゆっくりした。



ご覧いただきありがとうございます。

ストックが無くなりそうなので、1日1アップにしたいと思います。

書くのが遅くて申し訳ございません。

気長に付き合って下さると嬉しいです。

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