第42話 ブランニュー博士の実験②
空に上がると主砲のチャージを始めた。それと同時にシールドの準備も始める。
何をするか見ていたら、全方に標的が現れた。
標的と言っても巨大な鉄板で、射的の的のようになっていた。
「あの的に主砲を撃つように」
言われたとおりに主砲をそちらに向ける。
ゆっくりしたと動作で砲塔が動くがこの速度が普通らしい。
これでは高速で飛ぶ戦闘機に当てられないな。
まぁ、対戦艦用だからそれでもいいのかも。
博士の合図と共に発射した。
閃光が一瞬走る。
的が白く輝いた。だが貫くことは無かった。
よく見るとシールドが張ってあり、そのシールドの損耗率で威力を計算しているようだ。
「おお、なかなかの威力じゃのう。代官殿も良い物を付けたようじゃ」
普通の戦艦に付いている物よりも良い物らしい。
これを作った代官を褒めていた。
「次はシールドのテストじゃ」
地上に設置してある防衛用のレーザー砲がこちらに向く。
おい、まさか本物を使ってテストするのか?
「よし、発射じゃ」
こちらにレーザーが飛んできた。そしてシールドに当たり霧散していた。
「どうじゃ、エネルギーの損耗率は?」
モニターを見ていたオズエルが興奮していた。
「博士、凄いですよ! 損耗率は10パーセント以下です。これなら無限に当たっても沈みませんよ!」
これが古代船の実力だ、と喜んでいた。
俺は逆に心配になっているのだが。
「ふむ、10パーセント以下ならジェネレーターを起動しておれば、直ぐに復旧できる。恐ろしい戦艦じゃ」
その後、一通り動作確認すると、博士は満足そうに頷いた。
「想像以上のデータだった。私が調べた古代船では一番の成績だ」
武装の出力もシールドの出力も最高で、何よりもジェネレーターの出力が過去最高に高かったという。
「よし、このまま宇宙に上がるぞ!」
さすがにそれは却下された。
クルーの安全が確保されていないのと、物資を何も積んでいないので何か起きても対処できないと。
それに宇宙は星系軍が監視しているので、惑星から出ようとすると直ぐに見つかるそうだ。今でも監視されている可能性が高いので、基地から離れることはできない。基地の近くに居れば妨害電波で観測できないようにしているが、それも万全ではないからと。
「博士、一度ドックに戻って整備を」
オズエルがそう言うと、博士はムッとした表情をした。
まだ満足していないようで、もっと実験がしたかったようだが、結局は渋々従った。
博士も、これ以上は無理だと分かっているからだろう。
帰港命令を出して、博士は自分の作業に没頭していた。
*****
基地に帰港すると整備士達が船を取り囲み調べ始めた。
俺たちは船を下り、基地内にある休憩室で待つことになった。
「俺たちはどうなるのだ?」
ロズルトに問いかけたが首を横に振るだけだった。
「恐らくだけど、博士に付き合わされると思うわよ」
代わりにエミリーが答えてくれた。うんざりとした顔で。
「博士って何者なんだ? 始めて会ったんだが」
「博士は古代船を専門に調べている科学者兼考古学者よ。そしてその技術を我々に提供してくれているの。資金の代わりにね」
その界隈では有名な人らしく、古代船を解体してはそのパーツを他の船に移植するなど、改造もしているそうだ。
「へえ、そんなこともできるんだ」
「古代船の技術は謎が多く、部品を細かくバラして調べると二度と動かなくなるそうよ。だからパーツごと移植しているという話。でも、それだと本来の力が出ないそうで、あまり意味が無いと言っていたわ。だから今は、そのまま船を改造しているそうよ」
「なるほど……」
ダンジョンコアはダンジョンを船に改造していると言っていた。
どうやって改造しているのだろうか?
ジェネレーターなど、どうやって作っているのだ?
科学が進んだ世界ならまだしも、銃さえ無い世界で、ジェネレーターは作れないだろう。その知識はどこから得るのか。
疑問だらけだった。
「あら、博士から連絡よ。ブリッジに来てくれって」
ご覧いただきありがとうございます。
ストックが無くなりそうなので、1日1アップにしたいと思います。
書くのが遅くて申し訳ございません。
気長に付き合って下さると嬉しいです。




