表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/220

第34話 ダンジョンコア①


艦内は真っ暗だった。

ジェネレーターが落ちているせいで電気が生きていないからだろう。

ロズルトはそれを見越していたからか、小型の懐中電灯を用意していた。


「ライト!」


魔法で光りの球を作り出す。

全員が俺の魔法を見て、ギョッとしている。


「そんな便利な魔法もあるのだな」

「ダンジョンなどを探索するときには明かりが必要でね。そのために覚えたのさ」


オズエルは光りの球が気になり、掴もうとしては何度も手を伸ばし失敗していた。


「触れない?」


手が素通りする。

魔法だからね。物理的な物では無い。



サーバールームに入るとオズエルが驚いた表情をしていた。

そこは大きな機械が中央に1つ、ポツンとあり、キラキラと輝いていた。


「どうした?」


異変に気が付いたロズルトが声を掛けた。


「……この戦艦は古代船だ」

「え?」


ロズルトも驚いた表情をして大きな機械を見つめていた。

俺にはどういうことか分からず、隣にいるエミリーに尋ねた。


「古代船とは遙か昔に作られた船の事よ。簡単に言えば古代遺跡みたいな物ね。時々、辺境外の惑星で見つかることがあるのよ。その船には謎が多く、今も解明されていない技術とかあって多くの技術者が調べているらしいが殆ど分からないそうよ」

「古代船ね……」


この戦艦は古代戦艦ということか。それにしては装甲も新しかったし、内部も綺麗だったが。

昔の船には見えない。


「どうだ? 動かす事は可能か?」


ロズルトがオズエルに尋ねていた。


「わからない。やってみるがどうなるか……」


自信なさげに答えると、鞄から小さなノートパソコンみたいな物を取り出し、ケーブルを中央の機械につないで何かを始めた。

俺は見ていても分からないので、サーバールーム内を見て回った。


「サーバールームと言う割にはパソコンらしき物はないな……ん、あれは?」


サーバールームの奥に、見たことがある物体があった。

それは台座の上に乗っており、暗い闇に包まれて鎮座していた。


「……ダンジョンコア?」


人間の頭ほどの水晶玉が、台座の上に乗っている。

ダンジョンを攻略したときに、最下層のボス部屋にあったのがこれだ。

これを破壊してダンジョンを攻略したことがあるが、しかし、このコアは輝いていない。死んでいるかのように光らず沈黙している。俺が破壊したコアは眩しく輝いていたのだが。


「……どういうことだ? この古代船はダンジョンということか?」


わけが分からず、しばらくそれを見つめていた。


「どうしたの?」


後ろからエミリーが話しかけてきた。動かない俺を見て、心配して様子を見に来たようだ。

俺はどう答えようか迷った。

これはダンジョンコアだ、と言っても意味が分からないだろうし、それにその確証は無い。

説明するのも大変なので、しばらくは黙っていることにした。


「いや、何でも無い。それよりあっちの方は?」


オズエルの方を見るが表情が思わしくない。焦っているし、眉間にしわが寄っている。

上手くいっていないのが誰の目から見ても明らかだった。


「わからないわ。無言でずっとキーを叩いているけど……」


データーを書き換えるか消さないことには何もできない。

俺たちは見守るしかなかった。



1時間ほど経っただろうか。

座って作業していたオズエルがノートパソコンを放り投げた。


「駄目だ! 解析できない!」


古代船のセキュリティーが高すぎて突破できないそうだ。


「無理か……どうする? 撤退するか?」


俺はロズルトに尋ねた。


「いや、しばらく待ってくれ。連絡してみる」


そう言って携帯端末を取り出し、誰かと通話を始めた。

指示を煽っている感じがするので、この作戦の上司かミチェイエルと話しているのだろう。

継続か撤退か。

話が付かず、長いことを話している。

俺は気になった事があったのでオズエルと話した。


「ところで話が変わるが、どうやって星系軍はこの船のセキュリティーを突破したのだ? かなり高いのだろ? 向こうには突破できる技術者が居たのか?」

「自分より高い技術者など……」


途中まで言いかけて、急に黙って何か思案し始めた。俺は黙ってそれ見ていた。


「……そうか、疑似システム、AIボックスか。それを繋いで制御しているのかも」


オズエルは立ち上がると辺りを調べ始めた。そして機械の脇から伸びているケーブルを追っていき、壁に張り付いてる小さな箱を見つけた。後から取り付けたようで、そこだけが少し出っ張っている。


「あった! これだ!」


今度はそれにノートパソコンを繋いだ。通話を終えたロズルトも、その様子を見守っている。

この結果次第でどうするか決めるようだ。


「この先に制御用のAIがあり、それが制御しているのだ。だから、この船本来のシステムは使っていないのでセキュリティーは関係ない」


この箱はAI制御のインターフェースで、この先にAI装置が繋がっているそうだ。


「ここから書き換えればあるいは……」


凄い勢いでキーを叩き始めた。そして直ぐに解析できたようで満面の笑みを浮かべて、俺たちに親指を立てた。


「成功だ。後は艦長登録をすれば……」


艦長にはロズルトと指名したようだ。

彼は一応、レジスタンスの幹部だし妥当な判断だろう。


「良し、終わった。後はブリッジに行って起動すれば動かせるはずだ」


全員がロズルトを見ると、彼は静かに頷いた。


「わかった。この後は手はず通りに動こう。ジャックとニクスは入ってきたハッチの守備を。ハッチが閉じるまで軍が乗り込まないよう守って欲しい。頼むぞ。他は俺と一緒にブリッジへ」


全員が頷いた。


「よし、行こう!」


ロズルトの合図で全員が動き出した。


ご覧いただきありがとうございます。

もうちょっとストックがあるので、小まめにアップしたいと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ