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第28話 地下トンネルの戦闘①


あれから数日経ったが、俺の状況は変わっていない。

指名手配されたので街中を歩けず、食堂でエミリーの訓練に付き合っていた。


「駄目だわ、動かない……」


テーブルの上に、上半身を投げ出すようにして倒れ臥すエミリー。

最初に教えてから進歩していない。


「そう簡単にできるものではない。地道にやるしかないね」


自分の魔力が分かっても動かすには時間が掛かる。早くても2ヶ月、長いと半年以上は掛かるだろう。

それから魔力を体内に溜めて、それを外に放出する。道のりは長いが、避けては通れない道なので頑張るしかない。


「とは言ってもねえ……」


頭では分かっていても、こればっかしはどうにもならない。自分の魔力は自分で動かさないと。俺が代わりにやっても意味がないのでね。


「まぁ、焦らず少しずつやることだ。一度動けば後は簡単に動かせるようになる。諦めずに続けることだ」


努力無くして魔法は覚えられない。誰もが通る道だから。


「はぁ、最初の切っ掛けが掴めれば何とかなると思うんだけどね……」

「切っ掛けか……」


無理矢理に動かす方法があるが、あれは体に良くないんだよね。

どうしても駄目なときは考えるとして、今は黙って見守ることにした。



 *****



エミリーが難しい顔をして首を傾げていると、1人の背年が食堂に飛び込んで来た。

何やら慌てているようで、食堂に居る全員に聞こえるよう大声で話し出した。


「グランバーから指令が来た。地下のトンネルが星系軍に見つかり、兵士がトンネル内を調べているようだ。このままだと研究施設が星系軍に見つかる危険がある。俺たちは逃げるまでの間、兵士を引きつけることになった。準備ができしだい直ぐに旧都市間鉄道のトンネルに向かってくれ!」


それを聞いた人達が一斉に動き出した。

エミリーもそれに参加するようで、訓練を中断し腰を上げた。


「行くのか?」

「私もレジスタンスの一員だからね。無視することはできないわ。あなたはどうするの?」


俺はレジスタンスの一員では無いので参加する義務は無いが、ここでエミリーに死なれたら戸籍が貰えなくなるし、何だか後味が悪い。

知り合ってしまった以上は、見殺しにするのも気が引けた。


「邪魔で無ければ付いていくよ。あまり役に立つとは思えないが」

「あら、そんな謙遜をしなくても良いわよ。あなたの実力はみんな知っているのだから」


周りの人達が俺を見て頷いている。

どこまで俺の事が知られているのか、個人情報は筒抜けのようだ。

ただ、全員がそう思っているわけでは無いようで、睨んでいる奴も中には居た。

そういう奴はお近づきになりたくないね。関わらない方が賢明だ。




エミリーと一緒にAGC、まぁ、車に乗り込むと、仲間と一緒に旧都市間鉄道のトンネルへ向かった。

とある倉庫に入ると車はそこで乗り捨てて、エレベータで地下まで降りた。


「この倉庫は来たことがないな」

「地下トンネルに降りる倉庫は沢山あるのよ。出入り口が1カ所だと、見つかったときに何かと都合が悪いからね。分散してあるの。それに敵の背後を取るのに入口が沢山あった方が何かと便利だからね」


今回の作戦は、星系軍を背後から攻撃し、こちらにヘイトを向けさせている間に博士らを安全な場所まで誘導するとのことだ。実にシンプルな作戦だ。

だが、星系軍も馬鹿ではないので、そう簡単に背後を取らせてくれるとは思えないが果たして……。


まぁ、案の定、混戦になった。

旧都市間鉄道のトンネルに入ると至るとこに兵士が巡回しており、直ぐに見つかった。


「敵発見! やつらを捕まえろ!」


兵士がレーザー銃を撃ってくる。

こちらもレーザー銃で反撃しているようだが、相手のシールドに弾かれてダメージを与えられていない。

お互いにシールドを展開しているので、ダメージを与えられず、激しい消耗戦となった。


「不味いぞ! 増援が来たようだ!」


レジスタンスの1人が大声で叫ぶ。

トンネルの奥から兵士が続々と集まってきた。

こちらは20人に対し、向こうは40人以上に膨れ上がった。

これだけのレーザーが飛び交うとシールドが保たなくなる。シールドのエネルギーも無限ではないので、レーザーが当てればそれだけ早く消耗する。

数に負けて、こちらが不利になってきた。


「不味いな……」


手を出さず後ろで見ていたが、ジリ貧になっているのは明らかだった。


「仕方が無い。少し手を貸すか」


戦いに参加せず、エミリーの護衛だけで済まそうと思ったがそうはいかないようだ。

今回は狭い空間なので、派手な魔法は控えることにした。


「ファイアアロー!」


火の矢を放つ。

威力はファイアボールとさほど変わらないが、スピードが違う。一瞬で兵士のシールドを火に包んだ。


「て、敵の新兵器だ!」

「気を付けろ! 距離を取れ!」


兵士の誰かが叫んでいるが、トンネル内なので反響して誰が言っている分からない。

それでも構わず、片っ端らに魔法をぶつけた。


「やはり、ファイアアローではシールドを破れないか……」


それでも牽制にはなったようで、敵の攻撃が緩んだ。


「体勢を整えろ! 土の壁を作るから、それを盾にして戦え!」


ストーンウォールで、トンネル内に2メートルサイズの壁を無数に作り出した。

エミリー達はそれを盾にし攻撃を続けた。




ご覧いただきありがとうございます。

もうちょっとストックがあるので、小まめにアップしたいと思います。

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