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第165話 通信設備奪還作戦⑦その1

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仲間達がシールドバックをオンにするとシールドが展開され、全体を白い膜が包む。

それと同時に少し離れた場所から爆音が聞こえた。

ドローンの空爆だ。

警備に当たっていた敵兵が慌てて走り回って、燃えている警備室を消火している。そして俺たちに気が付くと「敵兵だ!」と叫び声が聞こえ、すぐに銃撃戦となった。


「こちらもシールバックをオンにしろ!」


敵兵の動きも速い。

すぐに建物から増援が現れ、攻撃してくる。

その1人がゲート脇に走りゲートを閉じた。ゲートはシャッター式でピタリと閉まる。

それを見てジェラート少尉が忌々しい表情を浮かべ、直ぐに爆破班を呼んだ。


「急いで爆破しろ! 相手に時間を与えるな!」


更に増援が来ると戦えなくなる。

少ないうちに叩こうということだ。

後方から大きなバックを抱えた爆破班が到着すると、それを見て仲間達は後方に下がった。


「爆薬セット完了!」


早いね。1分ぐらいで付け終わった。

爆薬はリモコン式のようで、そのリモコンは近くの仲間に渡していた。


「爆破するぞ! 5秒前! 4秒前! 3、2、1……爆破!」


耳を塞ぎ体を丸め、衝撃に備える。

そして直ぐに爆音が辺りを轟かせた。


「1班、突入!」


白い煙が立ち籠める中、開いた穴から仲間達が突入する。

向こうも待ち構えていたようで、警備用ロボットを前面に押し出して戦闘が再開された。

激しい銃撃戦。

白い光線が飛び交う。

こちらも次々と仲間が突入する。

ゲートの外に残っているのは俺と通信技術班だけ。

通信技術班は通信機を解体・回収するために呼んだレジスタンスの作業員で、裏方のため、戦闘要員ではない。

ようは頭数には入らないということだ。


「さて、俺も参加するか」


シールドを装備していないので最初に突入はできない。標的にされてしまうのでね。

なので、最後まで待ってから、仲間達が突入するのを待っていた。


「ふむ、やはり劣勢だな。こちらの方が分が悪い」


向こうは警備用ロボットを盾にして攻撃しているので、こちらの方がシールドの損耗率が高い。

このまま撃ち合っていたらこちらのシールドが先にダウンする。

ちょっとやばそうなので手を貸すことした。


「ストーンウォール!」


石壁を無数に作り出す。それを盾にして攻撃を防ぐのだ。


「壁を上手く使え!」


俺が大声で叫ぶと、兵士達は直ぐに壁へと身を隠した。


「先にロボットに破壊しろ!」


ジェラート少尉が指示を出す。やはり邪魔なのは警備用ロボットだ。

連射ができ、シールドが兵士よりも固い。あれを盾にされたらこちらが先にやられる。

最初にあれを破壊しないことには。


ストーンウォールで石壁を大量に作り出す。

障害物を多くして、敵兵の視線を遮る。

狙われたら躱せないのでね。そして、それを足掛かりにして敵に近づくことにした。


「スキル、縮地!」


ただ素早く走るだけのスキル。

勇者の身体能力に強化魔法を掛けて走れば、下級スキルも上級スキルに化ける。

飛び交うレーザーを避け、一瞬で警備用ロボットの懐に入った。

レーザーソードでシールドを裂き、その返しで本体も切る。

火花が飛び散り、白い煙が出る。そして上半身が滑り落ち真っ二つになった。


「やばいな、この切れ味。力を入れなくても簡単に切れる」


物理で切っているわけではないので抵抗がない。ただ、シールドを切るときに反発し合うのか多少抵抗感があるが、それだけだ。大した問題でもない。


「おっと、逃げないと」


立ち止まったら狙い撃ちにされる。

常に、ヒットアンドアウェイで移動し続けないと。


「敵に変なのがいるぞ! 注意しろ!」


近くに居た兵士に気が付かれたようだ。

しかし、変なとは何だ!

普通の人間だと文句を言いたい。


「ストーンウォール!」


その敵兵の前に石壁を作る。

相手が驚いているうちに近寄る。そして相手が避けて前へ出るところに突っ込む。

地味だが、銃と戦うときの正攻法だ。相手に撃たせなければ良い。


「な、何だこいつは!?」


シールドを切り裂き、返す刃で体も切る。

スパッと切れるが血が噴き出すことはない。

斬られた部分は炭化するので、血が蒸発し、流れないのだ。だが、倒れると炭化した部分が砕けるので、そこから血が流れ出る。

子供には見せられないな、こんなグロいシーンは。


「ジョルジェがやられたぞ! 奴を近寄らせるな!」


俺に攻撃が集まりだした。

狙い通りだな。後は石壁に隠れていればよい。


「チャンスだ! 前へ出てロボットを狙え!」


俺の動きを見ていたジェラート少尉が指示を出す。

攻撃が俺に逸れたことで仲間達に余裕ができた。

今は大胆に攻撃している。


「2番ロボットがやられた!」


1体のロボットから煙が出て蜂の巣にされていた。シールドが集中砲火に耐えられなかったのだろう。少しづつだが、こちらへ有利に傾いてきた。


「ロボットを守れ! 敵に撃たせるな!」


攻撃が分散された。

俺ひとりに構ってはいられないということだ。


「こっちは任せるか。俺は端の方を狙う」


建物の玄関前は激戦区なので味方に任せる。

接近戦の欠点は遠距離攻撃の邪魔になること。

俺が前にいれば撃つことができない。なので端の方から片づけることにした。

隙を突いて石壁を作り出す。

縮地を使い、素早く移動を繰り返す。そして敵との距離を少しづつ縮めて、攻撃できる距離まで近づくと、後は……。


「斬るのみ!」


シールドを切れ裂いてロボットを破壊する。後はこの繰り返しだ。


「お、応援はまだか!」


警備用ロボットが減し始め、敵兵達が焦り始めた。


「連絡はしましたが、空から戦艦が現れたとのことでそちらに対応が!」


敵兵の声に反応し上空を見上げると、戦艦が戦闘を繰り広げていた。

そして煙を吐いて落ちていく船がちらほらを見かける。

やはりというか、相手にならないようだ。シールドが全ての攻撃を弾き、攻撃が全て当たっている。

うちの戦艦が圧倒的過ぎる。

やりすぎなければ良いが。


「上空を取られたら応援部隊が近寄れない! 建物内に籠もり時間を稼ぐぞ!」


上空に戦艦がいれば、近寄る者は狙い撃ちされる。迂闊に応援も来られないということだ。

劣勢と見るや、建物内に逃げ込もうとする。

さすがに逃げ込まれると面倒なので阻止する。


「ストーンウォール!」


入口を石壁で塞ぐ。

突然逃げ道が塞がれたことで、敵兵達が驚き戸惑っている。

地上だとこういう小技が使えるのが嬉しい。

今のうちに敵兵を減らす。


「やれるぞ!」


誰かが大声で叫ぶ。

逃げる場所がなければ狙い撃つだけ。向こうは防戦一方となった。


「俺の仕事は終わりかな?」


そう思っていたが甘かった。これからが本番だった。


「このままでやられる! あれを出せ!」



開けましておめでとうございます。

本年もよろしくおい願いします。


遅くなりましたが、本年最初の投稿です。

長くなったので数話に分けて投稿します。

まぁ、気長に付き合って下さい。


毎日ぽつぽつと書いていますので、気が向いたら評価もしてくれると嬉しいです。


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