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第136話 ニルブルク星系②


俺も魔道具を作ってみようかと思ったが無理で、精細な魔力コントロールが必要だった。

魔法陣を描くには、魔力を一定になるように出さないといけない。しかも小さな魔力で。でないと魔法陣を破壊してしまうからだ。

だから、大きな魔力が必要とする魔法使いとかは無理で、俺も例外ではなく無理だった。

どこかで魔物を発見するまでは増えることはない、ということだ。


「因みにその石というのはどういう物か公開されているのか?」

「写真では公開されている。黒く半透明で拳ぐらいの大きさだったはず。艶艶して水晶みたいな綺麗な石だった。辺境宙域の未開発惑星にあるという噂だが、見つかったという話しは聞かないな。ただ、テラフォーミングされた惑星にはないというのはわかっている。あれは地表のもの全て壊すから、あんな石なんかは簡単に粉々になってしまう。ガラスみたいに衝撃に弱いみたいだからな」


確かに硬い物では無いな。石と言っても魔素が物質化した物だし、力を入れたら簡単に砕ける。持って帰るときも注意が必要だった。

しかし、こぶし大の魔石?

そんな大きな魔石だと普通の魔物ではない。

グリフォンやワイバーンクラスだな。

そんな魔石、残っているのか?

保存状態が良くないと割れてしまうと思うが……。

それで数が少ないということか。


「見つけた奴なんているのか?」

「いるぞ」


ここでローズが話しに参加。

俺たちの話しを横耳で聞いていたようだ。


「ただ、どこで見つけたかまでは教えてくれなかったな。未開拓宙域までしか。そして10億ニルで研究機関が買い取ったらしいぞ」


10億ニルと聞いて他で聞いていた奴がギョッとしていた。


「マジか。一生遊んで暮らせそうだな」

「確かに。それで冒険者を辞めたという話しだったからね」


冒険者は未開拓宙域に行き、新しい惑星や資源を見つけること。

それで見つけたんだろう。

一攫千金を当てた例ということだ。


「でも、それだけ出すということは、本当に数が少ないんだな」

「10年に1つとか2つ見つかれば良い方では。それだけ見つからない物ということだね」


ローズも魔石を狙っていたみたいで、探して未開拓惑星をさまよい歩いたという話しだ。そして見つからず諦めたとか。

それほど大きな物ではないので探すには探知機みたいな物がないと無理だろう。土の中に埋もれていたらなおのことだし。

魔石探知機でも開発できればもっと見つかるかも知れないが。


「星系軍の通信を傍受したわ!」


エミリーの声にみんなが反応し、そちらを見る。

魔石の話しは一旦終了し、その後の言葉を待った。


「第3惑星付近でドラギニス軍と接触したみたい。戦闘にはなっていないわ。そこで待機しているみたい」

「戦闘になっていないのか?」


グランバーの問いにエミリーが頷いた。


「お互いに展開して、睨み合っているみたいよ。恐らくだけど、船が集まるのを待っているのかもしれないわね」

「数はわかるか?」

「星系軍が調べた限りでは、戦艦クラスが358、巡洋艦クラスが584、駆逐艦クラスが624、他にも小型の戦闘艦も多数参加しているそうだわ」

「結構な数だな。1星系軍集めてきたのかもしれない。これだけの船が気付かれずに入ってきたということか……」


戦闘艦を含めると2000ぐらいか。

これで多いのか?

どっかの英雄伝説だと万単位の数で戦っていたような気がするが。


「いつもこのぐらいの数で戦闘するのか?」


気になったのでロズルトに聞いてみた。


「小競り合いだともっと少ない。ここまで船が集まることはないよ」

「そうなんだ。万単位で戦っているかと思ったんだが」

「おいおい、そんなに作れるわけがないだろ。戦艦1隻作るのどれだけの費用と資源が必要か。それに維持費もかかるんだぞ。国が傾いてしまう。船に乗るクルーも集めないといけないし、その食料も調達しないといけない。万単位で動かすことなど不可能だよ」


ロズルトが呆れた感じで言ってくる。

船は少しずつ作っていけば数は揃うだろうが、食料はそうはいかない。

万単位の船にどれだけの兵士が乗っているかわからないが、何百万人という食料を何か月分も用意はできないだろう。惑星全ての食料を掻き集めても足りないかもしれない。他の惑星から食料を調達しないことにはな。

やはり現実はそうはいかないか。

でも、帝国軍の全ての船を集めれば3万隻以上はあるらしい。防衛もないも置かなければの話しだが。


「星系軍ってどれぐらいの数の船を保有しているのだ?」

「そうだな……星系の大きさによって船の数は違ってくるが、ここのニルブルク星系軍だと100から120ぐらいの戦艦はあったはずだ。全部を合わせると1500ぐらいの船があるはずだぞ」

「そんなにあって黙って侵略されたのか?」

「向こうに寝返った艦もあるから全てはないと思う。それに全部を集めればの話しで、1部隊の数は10隻から30隻ぐらいだ。それを警備や防衛に振り分けているので、個々で戦えば勝てない。個別に撃破されたら数など関係ないしな」


惑星の資源を守るために駐留している部隊や、宇宙ステーションや通信衛生を守るために派遣されている守備部隊もあり、実際に動ける艦は3分の2ぐらいだという。


「エミリー、こちらの数はどれぐらいだ?」

「少しずつだけど集まってきて戦艦が150ぐらいかしら。ニルブルク星系軍が壊滅したのが痛いわね。他から集めてきているみたいだけど数が全然足りないわ。それで応援を要請しているみたい」

「その数だと帝国軍からも応援を貰わないと無理だな。数では勝てない」


全部合わせても1200ぐらいだという話しだ。

正面から戦えばこちらが負ける。

さて、どうするか。

グランパーの判断を待つことになった。


「我々が戦闘に参加しても勝てる見込みはない。もう少し情報収集を続けてくれ。それで帝国軍が動くのであれば、それと合わせて我々も行動しよう」


戦力が倍近く違うからな。

俺たちが参加したところで状況は変わらないだろう。

様子を見るというのは妥当な判断だ。


「わかったわ。それまでに第2惑星がどうなっているか情報を集める。2.3日もすれば集まると思うから」


グランバーは頷いた。

結局は情報が集まるまで待機となった。

それからどうするか思案することになる。



ご覧いただきありがとうございます。


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