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第109話 偵察


「思ったよりも大きい城だな。俺が知っている城よりも何倍もあるぞ。こんなところに忍び込むのか?」


城門の前で呆然と立ち尽くしていた。

俺が今まで見てきた城よりも圧倒的に大きい。異世界で見てきた城の中ではナンバー1の大きさだった。


「これは事前準備を怠ると中で迷子になりそうだ。城内図は必ず必要だな。それと警備の情報も」


城門の前では守備隊が警備している。

銀色のアーマーを纏い、手には大型のレーザー銃を持っている。それにフルフェイス型のヘルメット。あれがくせ物だ。

恐らくカメラが内蔵されているはず。それと無線もあるだろう。警備室へ常に映像が送られ連絡が取れるようになっているはずだ。そして指示も。

俺の魔法で人の目は誤魔化せても監視カメラはそうはいかない。カメラを見ている兵士から連絡が入ればバレてしまう。

認識阻害魔法は一度認識されてしまうと効果がない。そこに居ると思われた時点で魔法が解けてしまうからだ。

認識を阻害するだけで認識したものは阻害できない。そこに何もないと思っているから阻害できるわけで、最初からあると思っていたら阻害魔法は効かないのだ。


「魔法を使って正面突破は無理だな」


城門上の監視カメラをチラッと見る。

あれで見られたらアウトだろう。他の手段を考える事にした。



領主邸であるお城、ここではアルマジール城と呼ばれているそうだが、その城へ忍び込む前に一度見ておこうと1人ここまで来ていた。

ホテルからそれ程遠くはなく、地下鉄が開通していることから、ここまでの時間もさほどかからなかった。

まぁ、城門前という駅があるぐらいだ。交通の便はかなり良い。


地下から地上に出ると目の前に城門がある。凄く大きな城門でモ○ルスーツが通れるぐらいの高さがあった。さすが文明が進んだ異世界。スケールが違う。

重機が存在しない異世界ではこれだけの物を作るのは無理だろう。

その奥にお城が見えるが、でかい、の一言だった。

そして冒頭へ戻るわけだが、


「さて、外周を見て回るか」


正面からは入れないことはわかった。

他から入れないか捜すことにする。



お城は城壁に囲まれており、簡単に登れる高さではなかった。

俺の身体能力でも無理だ。どこかに足場がないと1回では登り切れないだろう。それに城壁の上にも監視カメラが付いてる。そこから侵入するのは無理そうだ。


2時間ほどかけて外周を見て回ったが、各城門の前では守備隊の兵士が門番として立っていた。

城壁の上にはいくつのも監視カメラがあり、死角がありそうなところは見つからない。


「監視カメラがなければ壁を壊して入れそうだが……」


土魔法で城壁を崩す。人ひとり通れる穴を作ったぐらいでは崩れないだろう。それに通った後は穴を塞げば良い。簡単な侵入方法はいくらでもあるのだ。

あくまでも監視カメラがなければの話しで、見つかれば意味がない。


「後は中庭がどうなっているか。兵士が巡回していると思うが……」


外周を歩いているときも巡回の兵士を見かけた。

兵士の目を掻い潜って城壁に近寄るのも無理そうな感じだ。


「はぁ、やっかいな任務を与えられたものだ」


一応、観光客を装って歩いているつもりだが、常に視線を感じている。

恐らくだが巡回している兵士の視線だろう。

男1人で歩いていたら逆に目立つか。


今度は裏門に周り、ちょっと離れたところからしばらく眺めていた。

時折門が開き、AGC(くるま)が通るが身分証を提示して許可書を見せてから入っていった。当然のように車内チェックはする。トランクを開けて中を全て見せていた。


「かなり厳重だな……」


この警備で領主に会えとは、無茶も良いところだ。

蟻の這い出る隙もないとはこのことを言うんだろうなぁ……。

トランクに入り込む作戦は使えないかもしれない。


他の方法がないか考えていると、大型トラックサイズのAGCが門の前に停車した。

運転席から若いドライバーが下りてくる。


「あれは?」


トラックのボディーにはレイジョージ社と書かれていた。

運転手の服装を見ると紺の作業着で何かの納品に来たようだ。

門番の兵士と楽しそうに雑談をしているところを見ると顔見知りで、かなりの頻度で来ていることがわかる。

兵士は荷台の扉を開けて中を確認したが、パッと見ただけで直ぐに閉めた。中に入って調べるようなことはしない。恐らくだが、毎日のことなので簡易的になっているんだろう。手抜きといった感じだな。

荷物を見ると野菜とかが見えたので食料品を積んできたようだ。

そういえばここでは空気を作るのに野菜を育てているとか言っていた。

そのできた物を届けに来たのだろう。ここでは自動調理器で作るのではなく、料理人が普通に食事を作っているのかもしれない。


「食料の納品か……」


思わずニヤッとした。

スキは必ずあるものだ。上手くいけば潜り込めるかもしれない。

だが、当然のように危険もある。

それに城内がどうなっているかわからないと自由に動けないだろう。


取りあえず方針は決まった。

魔法は万能ではないのは知っているので、この方法はあまり気乗りはしないが、他に手段が無ければこの手を使うしかない。



ご覧いただきありがとうございます。


毎日少しづつ書いていますが、時間がなく、アップできない現状です。

ですので、気長に付き合って下さると嬉しいです。

ついでに評価もしてくれると嬉しいです。

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