参謀長ヴァ―レンファイト
ヴァ―レンファイトはガルフリードの戦死を知り、レフガンディーが陥落すること察した。
部下に撤退を命じて、自身は要塞内の作戦会議室に入る。
帯剣を引き抜き、その刃の輝きを見て首にあてた。
王と4名の勇者に囲まれ、爵位と准将の階級章を授与されたときに、この法剣も与えられたのだ。
まさに天国と地獄を同時に見た。
至高神の崇める者として自決はならない。だが、彼は神の存在を否定していた。
神と言いだした古代文明の神官は詐欺師だと考えている。
そのとき、ドアが開いてレオンハルトが飛び込んできた。
「ヴァ―レンファイト……」
「レオンハルト様……お許しを……」
だが、法剣は聖剣によって叩き落される。
「……おそらくこうなること考えていました。私にできることは王国軍の将軍としてレフガンディーを墓標に倒れるだけと」
「俺は光の戦士の一分を知っている。仲間を見捨てることができるはずもない……だが、闇の戦士も同じなんだ。ゴルダークがイースレイの救援に向かうことは想像に容易い」
レオンハルトは聖剣を鞘に戻し、法剣を拾うとヴァ―レンファイトの手に握らせ、自身も強く握り込む。
「俺は……俺たちは魔王軍を倒した。投降した魔軍の兵や民を殺すことなどできようか?卿も見たであろう。ロンダルギアの子供たちを、古の祖先が喧嘩別れしたのを何故に俺たちまでマネする必要がある? 戦争は終わった……古い時代も終わったんだ、ヴァ―レンファイトッ!!」
「……終わっていません! 私にとってこの戦争は未来永劫に続く。これだけ、多くの将兵を戦死させてしまった。そしてその家族になんと言えましょう?」
「その責任は俺がおう。戦い、戦死した者たちの意志を継ぐべく、このアスガルドに平和を永遠に誓う法と秩序を制定し、自由と理想を叶える国家を供に作らないか? 吐いて食う貴族を廃して子供たちが飢えることなどない世界を作ろうではないか!」
レオンハルトは待った。彼の忍耐はむくわれる。
ヴァ―レンファイトは頷いたのだ。
「わかりました。レオンハルト様にこの身柄をお預け致します。この戦い以降、アスガルドの歴史書から戦争という文字を書かせないために」




