その2
そうして私は王宮での暮らしを始めることになった。
王宮の貴族達は、私が不幸な事故によって異世界から来たことを知っているので、私を気遣ってくれた。
私は王宮の参謀に、異世界での生活について尋ねたところ、参謀は私がこの王国での生活を楽しめるように様々なアドバイスをくれた。
私は、王宮の図書館で本を読み、王宮の庭園で散歩をしたり、王宮で行われる祭りやイベントに参加したりした。毎日が楽しく過ごせるようになった。
ところが、私が異世界に転生してから1年がたった頃、王室の姫君から報告があった。
「お客様。異世界から来たお客様。私たちは、あなたが異世界から来たことを知っていますが、あなたが異世界から来たことは、私たちの王国にとって大変な問題です。」姫君は言う。
私は、何を言われているのかわからなかった。しかし、姫君は続ける。
「異世界から来たお客様が、私たちの王国に残ることは、私たちの王国にとって大変な危険が伴います。そのため、私たちは、あなたが元の世界に戻ることをお願いします。」
私は驚いた。今更元の世界に戻ることを求められるなんて、思いもしなかった。しかし、私はどうすればよいかわからなかった。
「すみません。私が元の世界に戻る方法は、今はわかりません。しかし、私は私が元の世界に戻ることができるよう努力します。」
王国には大変お世話になった以上、迷惑をかけるわけにはいかないため私はそう答えるしかなかった。