プリシアの成長
伯爵家での成長の物語です。
ここは、カルロット王国の王城から少し離れた地域。ここにある屋敷がある。グローリー伯爵家。当主のノワールのグローリー。そしてその妻マリリン・グローリー。その子供たちの長女のジャンナ・グローリー。ジャンナの双子の弟で跡取りのジャスパー・グローリー。次女のプリシア・グローリー。次男のランド・グローリー。末っ子のリリカ・グローリー。家族仲良く暮らしていた。次女のプリシアには悩みがあった。幼いころから自分の容姿が家族にあまり似ていないこと。父、ジャスパー、リリカは、ブラウンの髪で瞳は水色。母、ジャンナ、ランドは、薄いブラウンの髪で瞳は薄い赤色。一方のプリシアは、白銀の髪でライトグリーンの瞳。母に聞いても神様のイタズラとしか答えなかった。プリシアは、その話をこれ以上聞かなかった。本当に神様のイタズラだと思っていたからだ。しかしその答えいつかが覆されるとはこの時思いもよらなかった。
幼いころからジャンナ、プリシア、リリカは、母に礼儀作法などあらゆることを厳しく教育された。特にプリシアだけにもっと厳しく教育された。どうしてプリシアだけなのか謎だった。ジャンナとリリカとは違うのか聞いても答えてはもらえなかった。しかしプリシアは、一生懸命勉強をした。ジャンナ、ジャスパー、ランド、リリカは、その様子を不思議そうにみていた。4人も母に聞いた。プリシアだけ違うのかを。しかし答えてはもらえなかった。でもいつしか陰ながら応援していた。
それから数年たった。5人は、立派に成長していった。
いろんな貴族が主催するお茶会や夜会に出席するほどに。そのおかげでジャンナとジャスパーには婚約者ができた。プリシアが夜会に出席するといろんな貴族から婚約の申し込みがあった。しかしすべて断っていた。婚約はすべて父に任せていたから。プリシア自身今の生活に満足だった。しかし美しい白銀のサラサラの髪とライトグリーンの瞳に虜になるものは多くそのせいか婚約の話がたくさんきた。貴族はもちろんデイビス・ブライアス国王の息子アルバート・ブライアス王子からもアプローチがあったがプリシアは、あまり相手にしていなかった。それは、アルバートは、キザなナルシスト。しかも意外にバカのためすべての令嬢から嫌われていた。しかしプリシア自身恋をしたことがないわけではない。それは、今から1年前。留学のために訪れていた隣国の皇太子ユリアス・スカイ・シュアイサスに密かに思いを寄せていた。綺麗な赤毛と美しい青い瞳。つい見とれてしまう。夜会では、いろんな貴族の令嬢がユリアスにアプローチをしていた。プリシアは、遠くから見ているだけで満足だった。ある時、屋敷の近くの草原で偶然ユリアスとお会いした。少しの間だったが誰にも邪魔されずに会話をすることができた。プリシアは、満足だった。家族と楽しく暮らせて充実した毎日を送っていた。しかし、その生活も終わりを迎えようとしていた。
カルロット王国の王城。
「陛下。報告があります」
「報告を待っていたぞ。」
大臣が令嬢について調べて1ヶ月が経っていた。
「このこの国の17歳の令嬢を調べて見ましたが、王女らしき人物は、1人です。」
デイビスは、驚きながら、
「1人だと。………。まぁいい。それでどこの令嬢だ。」
「はい。王城から少し離れた地域に住むグローリー伯爵令嬢プリシア・グローリー嬢です。」
デイビスは、不思議そうに質問した。
「伯爵家だと。公爵と侯爵なら分かるが伯爵。あり得ないだろ。何かの間違いじゃないのか。」
大臣は、冷静に答えた。
「お気持ちは、分かります。何度も確認しました。プリシア譲は、グローリー伯爵、そして伯爵婦人、姉弟たち誰一人似ていないのです。彼女は、白銀の髪ライトグリーンの瞳。王妃のカロリーナ様と同じなのです。間違いなく彼女は、王女の可能性があります。」
デイビスは、髪をかきむしりながら
「なるほど。だから見つからない訳だ。それでこれからどうするのだ。」
「すぐに踏み込む訳にはいきませんのでひとまず屋敷周辺を見張ります。」
「頼むぞ。気づかれずにやれ。」
「お任せください。」
グローリー伯爵家に波乱の展開が訪れようとしていた。
次回はプリシアの真実が明らかに。