乙女ゲームのように人生一度でいいからモテてみたいと思いながら死んでしまった私が、異世界で三人の義兄弟の王子達から求愛されて悶絶死しそうになる ~転生~ 【モテ悶2】
「「「ユフィア!?」」」
目を開くと三人の王子が涙を流していた。
……どうしよう、王子が三人も私の目の前で泣いてるなんて……
尊すぎる……
転生して数秒も経たない内に、私は悶絶死しそうになっていた。
一瞬、意識が遠のきそうになる。
ダメだダメだ。
これから一緒に生活してくんだから、これくらいで意識を失ってはいけない。
何とかそう自分に言い聞かせながら、意識を保った。
「……信じていたぞ、ユフィア……」
「……ユフィア、生きていてくれて、ありがとう……」
「……ユフィア姉さんが死ぬはずないって思っていたよ……」
うごっ!
ま、眩しすぎる。
眩しすぎて、直視できないっす。
……この三人がショタ神様が言っていた王子達だよね……
『そうだよ、ユフィア』
え?
ショタ神様がどうしてここに?
『ユフィアにしか見えてないんだけどね。転生直後は分からないことがたくさんあると思うから、最初だけサポートするよ。って、あんまりショタショタ言わないで欲しいな。僕にも、シヨルダっていう名前がちゃんとあるんだから』
……それって、略したらショタじゃ……
『それは言わないで……』
シヨルダが涙目になっていたので、それ以上は言わないことにした。
それはそうと、さっきから心で会話してるような……
『ユフィアだけしか見えていないのに、声に出して会話をしないといけなかったら、変な人に思われるでしょ?』
確かに。
『それで、三人の王子なんだけど。黒髪黒目の王子が長男で名前はロドリア。金髪碧眼の王子が次男で名前はラフタス。銀髪でエメラルドグリーンの目をした王子が三男でミランドっていう名前だよ』
シヨルダが丁寧に説明してくれた。
「……どうした、まだ苦しいのか?」
シヨルダと心で会話していただけなのだが、私が無言になっていたからだろう。
ロドリアが心配してくれた。
「あ、いえ、大丈夫です」
「そうか、それなら良かった」
や、優しい。
思わず顔がニヤけてしまう。
こんな人が現実にいるなんて。
まあ、ここは異世界なんだけど。
……でも、ロドリアが好意を寄せているのは、私じゃなくてユフィアなんだよね……
勘違いしないようにしないと……
「ロドリア兄さんばかりずるいですよ。私も心配していたんですから……」
今度はラフタスが、優しい声でそう言った。
「ユフィア、困ったことがあったら何でも言ってくださいね。私にできることがあれば、何でもしますよ」
……何でも……
いかんいかん。
つい変な妄想を……
「お兄さん達ばかりズルいです。ボクもユフィア姉さんのことを心配してたんだよ」
目をうるうるさせながら、私のことを真っ直ぐに見ている。
……か、可愛すぎる……
こ、これは甘え上手系だ。
何でもしてあげたいと思ってしまう。
「ロドリアお兄様、ラフタス、ミランド、ありがとうございます。おかげで元気が出ました」
私がお礼を言うと、
「「「………………」」」
三人の王子は無言で顔を見合わせながら、
「何かあったら、俺を頼れよ」
「何かあったら、私を頼ってくださいね」
「何かあったら、ボクを頼っていいからね」
と言った。
ぐぉっ!
これは死ぬ。
死ねる。
……シヨルダは淡い恋心と言っていたけど、これはどう考えてもガチ恋だったでしょ……
私はユフィアじゃないから、本当の恋人にはなれないかもしれないけど……
……少しくらい、このモテモテ人生を謳歌させてもらっても、罰はあたらないよね……
三人の王子達を見つめながら、私は胸中でそう呟いた。
最後まで読んでいただきありがとうございます!!
短編のプロローグで評価が一番多かったので、『モテ悶』の続きを書いてみました。
短編で好きな話を書いて、話が溜まってきたら、編集して連載小説として投稿するのもありなのかなぁとか考えています。
評価が多いと続きを書きたくなる気持ちになりやすいので、もし続きを書いて欲しいと思った方がいましたら、画面下の「☆☆☆☆☆」から評価をよろしくお願いします。
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ブックマーク登録は嬉しいですが、続きを書くにしても、しばらくは短編で投稿して行くことになると思いますので、お気に入りユーザで登録してもらった方が便利かもしれません……
続きではありませんが、『モテ悶3』を短編で書いてみましたので、よかったらそちらも見ていただけると幸いです。