第2話 忘れ物と出会い②
本日二度目の投稿です。
まだ未読の方は1話から読んでください。
突然だが、僕は学年一の美少女の助手(?)になった。
助手ってなに? まだ僕にも分からない。だけどあんな小説を書ける彼女はどんな人なのだろうかとても興味がある。
まあ弱みを握られているのもあるのだが......
『凛太郎、行くわよ!』
「え、ど、どこに? 」
『返事は?』
「はい! 昼崎さん!」
そうして僕は喫茶店に連れていかれた。
これは陽キャラ同士だったらいわゆる放課後デートなのでは、とか考えていながらぼーっとしていると彼女が鬼の形相でこちらを睨みつけていた。
『凛太郎さっきから話聞いてるの?』
「すみません、ちょっと聞いてませんでした。もう1回言ってもらってもいいですか?」
『凛太郎は私の小説を読んでどう思った?』
「素晴らしいと思いました。読み進めていくと自然と涙がこぼれ落ちてきて、まるで自分を包み込んでくれるような、そんな感覚がしました。」
沈黙が続く。あれ、僕変なこと言ったかな?
怒らせてしまったかな? そう思って彼女の顔を見ると顔を真っ赤にして俯いていた。
「あの、昼崎さん?」
『な、なによ! そんな真っ直ぐな感想を言われたら照れるじゃない!』
良かった、怒らせたわけではないようだ。
「あんなに素晴らしい小説、今まで読んだことがありません! また読ませてください!」
『あんたは助手になったんだから、いつでも読ませてあげるわよ』
そう、僕は彼女の助手になったのだ。
でも助手って何をやるんだろう。探偵の助手でもあるまいし......
「あの、助手って具体的には何をするんですか?」
『そんなの私の小説活動に協力することにきまっているじゃない! 今日から毎日私の小説作りのために働いてもらうわよ!』
小説活動に協力。全然具体的じゃないんですけど! と思ったが、言うと怒られると思ったので黙っておいた。
『ところであんた、いつまで敬語なわけ?』
「い、いや、昼崎さんは可愛いから緊張してしまって......」
あれ、今僕なんて言った? やばいかも。
ちらりと顔を上げると耳まで真っ赤にした昼崎さんの姿が。
『と、とにかく敬語はやめなさい! 今日から私の助手なんだから!』
「うん、分かったよ昼崎さん」
こうして僕の助手生活(?)がスタートした。
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