7pとむかしのはなし
昨日はすいません
それと短くてすいません
「どうしたー?バナナでも踏んだかー」
先ほど残りの囚人―――つまり俺たち2人が掃除させられた通路にバナナなど捨ててあるはずもなく、つまりそれ以外の何かしらの外的要因によってどうにかなってしまったのであろう。
「返事しろよ。あいつ恥ずかしくて返事できないんじゃねーの?」
そういえばさっきの掃除こいつはサボってトイレにこもっていたのだった。実質俺一人でやったのだ。こいつ殺してやろうか。ということで俺は脳内閻魔帳に、昼間に的外れな鍵束をくれやがったあいつの次あたりに鳥山と記入することにした。
ともあれ、何かあったのは確かなようなのだ。暴徒の残りならば静かすぎるし
そんなことを考えていた。そのとき―――――――――――――――――
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「あなたには・・・大切な人っているのかな」
どこか懐かしい声がきこえる。声のするほうを見てみると、見覚えのある少女がいた。
---ニナ。彼女は昨日の今頃ここであったばかりだったが、どうにも他人の気がしない。そろそろ日が暮れる中、俺と彼女は夕暮れに染まる空とそれがそのままにうつる海とを同時に見ることのできる堤防の上に座ってチクチクする草を少し気にしながら話している最中であった。
さっきまで彼女と遊んでいたのだが、いつの間にか夕日の出る時間帯になっていたことに気づいたんで昨日も見たこの景色を見にニナの手をひっぱってここまで走ってきたのだ。
?
「この人といたいなーって思うひとのこと。私にはね、いるんだ。」
うーんと・・・よくわかんないよ。
「そっか。じゃあさ――――」
彼女は体をこちらに少し乗り出し、こう言ったのだった。
「私がなってもいいかな。」
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チュンチュンと鳥の鳴く声が聞こえる、今はまさに朝である。隣ではステラがおおきくいびきを立て、間の抜けた表情でよだれをたらしている。
あの服とやっとおさらばできた記念すべき朝であった。刑務所の堅いベッドとも・・ってあれ?
俺の布団の中にてもぞもぞと動く少女の存在に気づき、俺はおおきく悲鳴を上げた。
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これは西暦678年 9月16日 城下町隣の森の中 魔女の住む小屋でのことであった。
読んでくれてありがとうございました!