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性懲りもなくまた始めました。しばらくはこれ書こうかな暇なとき
今日は終業式だった。現在俺は野球部員のくだらない話を聞きながしながら歩行者用信号の赤い光をじっと見つめている最中であった。
心臓が弱い方のため、先に言っておこう。
これから俺は死ぬ。
---叫び声かブレーキ音か、とにかくけたたましい音が耳に届いたと同時に、
俺の体は宙を舞っていた
その音がブレーキ音だった場合おれは制動距離の中で轢かれたことになるが、体感ではもっと勢いよく飛び込んできたように感じたため、おそらく違うのだろう。実際のところどうだったのだろうかはわからないし、たとえどちらだとしても俺をよくも轢いてくれやがった運転手は生涯許すことはないであろうことは確かだ。いや運転手すらもいたのだろうか?
かくして俺は死んだ。おそらく・・・いや生きてたのかも・・・とにかく、そうしてまさか身に起こると思ってもいなかったことがこの身に起こったのである
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宙に浮いたはずの俺の体はいつの間にか着地していたようで、バランスを崩してバレエの選手のごとく華麗に・・・いや実はそこまでも華麗ではなく、むしろまさしくズッコケたという表現がよく似合う様子でつるりと足を滑らして、・・・ズッコケた。
「いてっ」
どうやら誰にも見られていないようで安心したのもつかの間、周りは人目のあるはずない草原であった。
なんだそりゃ。ひでえ話もあるもんだな。まだ女神の声一つ聞いちゃいないというのに現実は非情なりといわんばかりに周りにはカスミ一つない広大な世界が広がっていた。満面の青空とどう見ても広いこの世界を見回していると、ちっぽけな俺はどっちにしろ死ぬんではないかという絶望で霧がかっていくのだが、ため息をつくと尚更事態が深刻になるような気がするので黙ったまま重い腰を上げる俺がそこにはいた。
ぼーっとしててもしょうがないので最近野球部員の一人に勧められたライトノベルにあったような、馬鹿な中学生が好きそうななにか技でもないものかと色々試してみたがどうやらだめらしい。この草原だし、人目がいないのを良いことに、恥ずかしい技名を本気になって叫ぶやばい男子高校生の姿をみた奴はは、絶対に誰一人いないはず--------
「誰だ貴様は?」
は?さっきまでだれもいな
「答えろ!」
はいスミマセン。
どうにも俺はメアリー・スーとは名乗れないようだということはさっき検証済みだし、どうみても外国人のその男に、日辻長政という名前を逆向きで教え、17つという年齢までも教えてやった。そして俺のいた国への戻り方とここの地名を聞こうとしたところ相手の騎士のような鎧を着たほりのふかい男に遮られる。
「変な名前をしたやつだな。」
だろ?親に戦国武将の名前を付けられた挙句、そいつけっこう早死にするんだぜ。
「それに聞いたこともない苗字だ・・・身元が分からない以上、お前は不審人物として扱う。連行されてもらおう。最近は物騒な事件も多いからな。」
はい?いきなりすぎません?大体身元なんて名前だけじゃわからな
「抵抗するな。我々王直属の騎士団にはその場で不審人物を殺傷する権利を持っている。まぁ、この平原では殺したところで誰にも見られやしないがな。しかもその冴えない顔、ここで死んだところで誰も心配などしなさそうだしな」
う・・・そんなことを言われては部活でビビりのなかのエースという不名誉なあだ名をつけられた一級ビビりの俺は渋々ながら妙に古風な手錠をされるがままにこの腕で受け止めるほか道はないのだ。そしてどうやら大声を出していたせいで接近に気付くことが出来なかった大きな荷車を付けた馬車に乱暴に投げ入れられらる最中に、俺はというと、己の愚かさを猛省し悔し涙をこらえることに尽力していた。それとどうやら俺は冴えない顔もそのままにここに来たらしい。そう、俺の顔はふつうだ。ラブコメの主人公のようにモテるハンサムでもなく、人生の半分ほどを泣いて過ごすほど不細工でもない。どこにでもいそうな、誰の心にも残らない顔だよちくしょー
その分の涙をこらえることにも尽力しなくてはいけない俺はぎゅっと目をつぶっていた。
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「なぁ。お前、何したんだ?」
おいおいまるで囚人がいいそうなせりふだな。
「・・・?当り前じゃねぇか。こいつあ大罪人を収容するためにアンドルフィン刑務所にむかってた護送車だ。今はそっからのからの帰り」
妙に解説じみてる野郎だな・・・・って
・・・は?まじ?
「おう」
ごめん、頭が混乱してるんだが何で俺は急に大草原のど真ん中でそんな車に乗せられてるんだよ。
「お前もしかして何もやってねえのか?最近多いな・・・」
当たり前だ!俺がそんなことする奴に見えるか?
「もう少し暗くすればな」
なにハリウッド映画みたいな冗談言ってんだ。てかお前は何したわけ?
「ハリウッド?」
あいや何でもない。どうやらこれはハリウッドの存在した、同時に俺がいた世界ではないのかもしれない。単にこいつがものをしらないだけだとは思うが。もしそうだとしても俺より適役があったはずだが・・・
「まあいいや。俺はだな、その・・恥ずかしい話なんだが・・・」
ああ
「俺はアンドルフィン刑務所の看守だったんだが・・・」
うん。えっ・・・?ああいや、続けてくれ。
なるほどそれで最近多いとかなんとか
「お前と同じように、なにもやってないのに捕まる奴が最近なんでかおおくてな。」
そいつは怪しいな
「そうだろ?それで・・・娘と同じくらいの年頃の女の子が、アンドルフィンに収容されていてな。何もしていないのに何故収容するのか、って俺の袖をつかんで聞いてきたんだ、飯を運んできたときにな。そのうえ大罪人としてなんてな。酷いって」
まっとうな疑問だな
「逃がすことはできなかった。それはさすがに、な。だが、食べ物を分けていたんだ。俺の飯を少しばかりな。自分も疑問に思ってたってのもあった。が、何よりその子が喜んでくれていたのが嬉しくてな」
・・・・・・・
「それで、街の刑務所に収容だってよ。そういやあいつあれからどうなったかな」
裁判とかはないのか?
「裁判なんてのは貴族やらがするもんだよ。たかが看守の言い訳なんてだれも聞いてやくれないさ。ましてや小さな女の子なんてな」
そうなのか・・・
「お前何も知らねぇな。旅行者かなんかか?」
っま、まあな
「ふーん。やっぱりな」
などと話をしていると車体が揺れ、後ろから何やら重苦しい音が聞こえてくる。
「ついたみたいだな。街に戻るのは久々だなぁ。」
隣に座る男がじゃらじゃらと鎖を揺らしながら大きく伸びをし、男の背骨がボキボキと音を鳴らすと俺がなにやら収容されるらしい刑務所があるという街についたのを実感し霧がかった胸の内の雲行きがますますあやしくなったのはいうまでもない。
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この日は確か西暦678年9月7日
この日訪れた城下町の名前はサンドルヴァン。
読んでくれてありがとうございました!