魔物と人間
どんなに書き手が魔物贔屓でも読み手は人間。
そこは理解して納得もしているので『リトルデヴィルの放浪譚』朝霧(五話)にて固有名詞付きの人間登場。
まぁ“放浪譚”なので真っ直ぐ大魔王様捜しに奔走するリトルデヴィルでは無いことは言うまでもない。
転生宣言しているのに放置される大魔王様……
魔物のヒエラルキーに疑問符が付くけど、そこは気にしない。
大丈夫、レッサーデーモンとガーゴイルとワーウルフ二匹とゴーストは真剣に探しているから……多分。
さて、五話にて初登場の固有名詞付きの人間、勿論それなりに物語に絡んで来る重要キャラの一人。
一応アイリス大賞4のパスワード入れていることからもキーワードの女性向け“ファンタジー”と“恋愛”は必須。
自分としては作品全体を女性向けとして書いているつもりは無いのだが、それっぽいシーンを一部入れていればいいか的な軽い感じである。
というか、ガッツリ書くとR18になる自信があるし……そうなると本末転倒。
戦闘描写にしても掘り下げて書くと、グロさに拍車がかかりホラーになるだけ。
うん、自重は大事!
そして女性向けで恋愛要素……処女作を不愉快なBLにするわけがないので、もちろん雄と雌の番が必要となるわけだな。
だが『リトルデヴィルの放浪譚』の魔物設定では現状無理なので、そこで人間に頑張ってもらうわけである。
人間の物語では人間の無責任で傲慢な欲望を満たす道具として魔物が利用されているのだから、魔物の物語では魔物の都合で人間が利用されてもいいでは無いか!
それがどれだけ残虐非道な結末だろうが『リトルデヴィルの放浪譚』の主役であるリトルデヴィルは魔物で人間の持つ人類万歳の心や魂を微塵も持っていないのだから……
人間万歳の物語はごまんと転がっているし、人間の欲望を具現化したお粗末な魔族とは名ばかりの物語も豊富にあるので、そういうのが好きな人はそれを手に取ればいい。
ただ『リトルデヴィルの放浪譚』はそういう人間の欲を満たすだけの物語では無い……というだけである。
どこかで聞いたことのあるような事のある話を、斜め後ろ上あたりから斬っているような、ひねくれるにも程があると断言できて読み手を選ぶ物語、それが『リトルデヴィルの放浪譚』。
ホント何様よ?
だが、ありきたりな叡智ある人間こそが最強の物語ならば自分が書く必要などないし、そもそも魔物はその存在からして人知を超える存在なのに、何故か自分より低知識設定の者だけをはべらしてふんぞり返っているだけの人間が、それで叡智あるなどと言えるのか?そんな痛々しいゴミ以下の人間風情に世界の行く末と託す超自然現象共の不甲斐なさよ……恥ずかしくはないのであろうか?
だからこそ決して満たされることなく、どこか乾き切った物語に生きる人間は自分にとって書くに値し、魔物であるリトルデヴィルが出会うに足る存在なのだと……そう感じ、今日も物語は世界を駆けるのである。
現在『リトルデヴィルの放浪譚』六話執筆中。
結構ノリノリですがpixivの若夫婦推し転スラアンチ駄文の方も進めたいので完成は何時になるか不明です。