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これからのことを考えると頭が痛くなります。それにしても、現地の神々にこれほど嫌われていようとは

 リーナへの処置を終え、ホルティス神がサキョウのほうに向きました。


「さて、あんな愚物のことはほっといてこれからのこと話し合いぞ」

 

 そう言ったホルティス神の顔は真剣そのものだった。


「はっきり言って現地神共はお前の存在を目障りに思っていやがる。俺の出した訓告を全く守る気がねぇ。奴らはこの国ごとお前をつぶすつもりでいやがる」


 その言葉にサキョウは溜息を吐き


「やはり、魔道科学を広めたのはまずかったでしょうか」


 ホルティス神が苦笑して「まぁな」と答え


「俺からしたら何千年も停滞した文明が進んだことにもろ手を上げて喜んでるんだが、あいつらにとってはわざわざ停滞させている文明を進める怨敵にお前はなってやがる。だが、あんまりおどろいてねぇな」


「情報を制する者は世界を制するというでしょう。神聖ザハルート帝国の金の動き、人の動き、物資の流れその他にも色々と判断材料には事欠きませんでしたから」


「くっくく、確かに奴らの動きはお前から見たらわかりやすいか。俺の与えた力を上手く使いこなしているようでで何よりだ。」


「何故か、マテリアル・オブ・ファンタジーで画面越しに見ていたことがまるで自分で体験したよう記憶にありました。おかげで何の問題もなく前世とまるで違う環境でも生きていけてますよ」


「違和感持たせちまったか」


「貴重な体験をさせていただきました」


 当時のことを思い出しサキョウはそう言いつつも明後日方向を向いて言いました。


 その様子にホルティス神は苦笑して答えた。


「その処置はお前が望んだ力には必要なことだ。だから、俺は謝らねえぜ」


「それはどういうことでしょうか?」


「時期にはわかる。経験をともなわないということの怖さがな。だいたい、現地神て奴はそういうのがわかっちゃいねぇ。だから問題ばかり犯しやがる」


 それ以上話す気はないのかホルティス神はこれからのことについて話し始めた。


「これからどうすんだ。それによってこちらの動きも変わってくる」


「正直言って、祖国である神聖ザハルート帝国にはいい感情を持っていません。時代背景は中世ですからね政治的な判断の結果、両親が暗殺され、故郷が焼かれたことによる復讐は考えて・・・・・・」


 サキョウはそう言いかけて顔を振り、自分が転生者であることも含まてすべてを話し、リーナの問題を一喜一憂しながら解決していった同士であるレティシアとリディアを見ながらいった。


サキョウ自身、復讐をしたいという気持ちは当然持っている最終的に故郷を焼かれたのだ。


サキョウ自身の自惚れでなければ、確実に2人は復讐についてくるだろう。


サキョウはそう考えると復讐することに意義を見いだすことが出来なくなってしまう己の心に戸惑いを覚えた。


もっとも、この時点ですでに答えはでてしまっているのだが。


「さっきの言葉はちがいますね。きっと、私1人っだたら復讐に走っていたでしょう。ですが、大切なものだできてしまいました。復讐に身をゆだねるには遅すぎました」


「私達に遠慮する必要はないぞ。どうしてもしたいのなら私は付き合う」


「私はただ純粋にうれしいです。サキョウさんが復讐しないと言ってくれて」


 真剣な表情をしてリディアがいい、レティシアは花が咲いたような笑顔をサキョウに向けた。


 その様子をホルティス神は複雑な気持ちで見ていたが、復讐する、しないという問題ではないことを思い出し話し始めた。


「もう、お前1人の感情がどうかの話じゃねぇ。魔王がいつもに比べて時間がかかったがもうすぐ倒される。すぐとはいわねぇが、次はこの国だ。レガリア神族は信託を下し滅ぼすつもりだぞ」


 その言葉を聞き透き通った声でレティシアはいった。


「それじゃあ仕方ありませんね」


 その声を聴いた一柱と2人はレティシアに視線を向けると慈愛に満ちた笑顔をしているが、放出されるどす黒い魔力がその表情を裏切っていた。


「神聖ザハルート帝国はきれいさっぱりと消しちゃいましょう!サキョウさんにいやな思いをさせた国なので遠慮いりませんよね!私、結構感謝してたんですけど仕方ありませんよね!私たちの幸せ奪おうとするなら仕方ありませんね!どの魔法で消し去ろうかな!」


 そう言ってレティシア不気味に殺戮計画をぶつぶつと言い出し始めた。


 その様子を一柱と2人は視界から外し何事もなかったように話し始めた。心の底から今のレティシアに関わりたくなっかたからだ。


「ホルティス様、戦争の回避は無理ですか?あなたがレガリア神族をとどまらせることができれば・・・・」


「無理だな。神聖ザハルート帝国は自分たちが圧倒的な強者だと思っていやがる。まぁ、確かにジョブ取得者の人数、質共にレガリア神族のおかげでリグルベルト王国を遥かに凌駕しやがる。そのうえ、聖獣と言われるレガリア神族の下僕まで戦力として使える。普通に考えたら神聖ザハルート帝国は強者だ。そんな国が今現在、魔族に攻め込まれてるとはいえ足元を見られ煮え湯をリグルベルト王国に飲まされ続けたんだ。しかも、どこかの誰かさんのを陰でリグルベルト王国は魔族に攻め込まれなかった。そのことも、魔族との関係を疑問視されている元凶だぜ」


 当時の絶望的な状況の中でサキョウが見つけた一筋の光となったのが魔族だったことに運命の皮肉を感じながら言った。


「私にしたらどうしようもありません。当時の状況で魔族にちょっかいをかけられると高確率で国が滅亡していました。この国の活動当初に国内の不穏な動きをしている魔族は排除させてもらいわせてもらいました」


「アカシックレコードの記録で確認したが、国の暗部を乗っ取っていた魔族を真っ先に排除し、その魔族になりすまして魔族が何を企んでいるか掌握、後はすべての計画を同時に潰すとはなかなかスピーディーな解決ぶりだったぜ。そのうえ、侵攻してきた魔族の四天王をあっさり殺して魔族は何をされたかわからなかっただろうな」


 サキョウにしたら運頼みの紙一重の勝利だったのだが、記録としか見ていないホルティス様にとっては圧勝だっだのだろう上機嫌に語った。


「その話は今は話すことではないだろう。これからのことを話した方がいい」


 リディアが話を修正しようと話しかけた。


「確かに話がずれてしまいました。それにしても、戦争ですか・・・・・・・」


「いろいろあったが祖国だからなやりずらい面があるんだろう」


「私が大切にしている人で神聖ザハルート帝国にいるのは兄だけなので心配なのは兄だけなのですが、ホルティス様」


 その言葉を聞いてホルティス様は慌てだした。


「そ、そんなことねぇだろう。ほ、ほら、幼馴染に義妹、婚約者いただろう」

 

 その言葉にサキョウは今までの状況が大変すぎて忘れていたが、確かにいたなと思い出したがすぐに切り捨てた。


 理由は簡単なことなのだが、彼の中では決別した者達だったからだ。


 女神の介入があったとはいえ、両親が暗殺されたのは勇者と結婚するために婚約破棄した婚約者を訴えようとして勇者の機嫌を損ねたくなかった皇帝が神聖ザハルートの暗部に命じたためであり、義妹は故郷を魔法で焼き払い、幼馴染は故郷の多くの人達を切り殺した。


 確かに皇帝の要請を拒絶した両親にも非があり、無念を抱いて死んだ両親のためだとはいえ反乱を起こした故郷にこそ非があることは理解はしている。


 だが、人は感情によってわかっていても間違った選択をとってしまう愚かな生き物だという側面があり、サキョウの感情が切り捨てることを選択させた。


「確かにいましたが、すでに決別した者達です。どうなろうと知ったことではありませんね」


 その様子にホルティス神は肩を落としぶつぶつ言い出しはじめ、女性二人は表情にださなかったが内心ではざまぁみろと思っていた。


「クソ!せっかく用意したのに無駄になっちまった!」


「ど、どうされました、ホ、ホルティス様」


「な、何でもないぞ。気にしなくても大丈夫だ。」


 急に大声を出したホルティス神にサキョウは何か失礼なことをしたかと慌てたが、白々しいホルティス神の様子にサキョウに嫌な予感を沸き立たせた。


 それ故にサキョウは如何にしてホルティス神から先ほどの言葉の意味を聞き出そうかとするとホルティス神に床に叩き付けられ部屋のすみに転がっていたセリティアフィス神らしき真っ黒な物体が発光し始めた。


 その様子をホルティス神は話を誤魔化すことができると内心喜びながら言葉を発した。


「ようやく、お目覚めか。神力の大半を奪ったとはいえここまで時間がかかるとはな。鍛え方がなってねぇ。」


「ホルティス様、あれはすでに亡くなっていたのではありませんか?」


「確かに人間の感覚なら死んだと思うか。あいにくだが、神は何かに憑依していない限りエネルギー体だ。外見が黒焦げでも死ぬことはない。とはいえ、奴の神力はお前に対する慰謝料として大半を剝奪してやったから結構つらいんじゃねか」


「だいたい、なぜあんなものを連れてこられたのですか?正直言って不快なのですが」


 元々、サキョウは12月にクリスマスを祝い、正月には神社に参拝する宗教に関しては寛容なお国柄の人種にである日本人だ。この世界では異端と言われるだろうが宗教に関心がない。


 だが、セリティアフィス神に対しては恨みを抱えている。この女神に全ての罪があるとは思わないが、このような事態になった責任の5割ほどはあると思っている。


 そのために、この女神の言動次第では自身を止めることができないことを理解しおり、話を聞く限りこの女神がこちらの神経を逆なですることが予想されるからだ。サキョウははっきり言ってこの女神を殺すリスクを避けたかった。


 レガリア神族が早期に参戦してくる動機になりかねないからだ。


「フッ、あのバカ次第でどうするか決めようと思ってな」


 その言葉にサキョウはホルティス神が介入する理由を欲しがっていることに気が付いた。


 どう考えてもセリティアフィス神がホルティス神の正体に気が付かず、噛みついてくる未来が予想されたからだ。


 サキョウはどうか面倒なことにならないように願いはかなわないだろうが祈った。



読んでいただきありがとうございます。

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