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異世界に来た僕は器用貧乏で素早さ頼りな旅をする  作者: 紙風船


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第二百六十六話 朝霧ハーレム

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

「どうしたんだ? 二人共」

「店長達こそ。クエストですか?」


 ギルドの扉を開けてたら店長と灰エルフのレモンフロストが並んで立っていた。僕とダニエラとなら繋がりはあったが、この2人の横の繋がりは珍しいのでは?


「あぁ、昨日飯屋で鉢合わせてな。気が合ったから一緒にクエストでもと思ってやってきたら面白いクエストがあったから受注したんだ」

「そうなんですよ! リンドウさんのお話が面白くて昨日は楽しかったんですよー。パーティーも組んじゃいました!」

「パーティーまで? 意気投合だな……」


 ダニエラの言う通り、意気投合という言葉がぴったりだった。


「そう。パーティーを組むのが一番の目的だったんだけどね。ついでに記念だからクエストもと……で、私達はこれから出発するところだったんだよ」

「そうなんですか。何のクエストに行くんですか?」

「ん? あぁ、ダンジョンに潜ってくる」

「え……」


 それはもしやレゼレントリブルの調査なのでは?


「リンドウ、それは南の町の調査か?」

「凄いねダニエラ。ダンジョンと聞いただけで分かるのか?」

「あぁ、私達もそのクエストを受けに来たんだ。もう準備も終えている」


 まさかまさかのクエスト被りだった。店長は良いとして、レモンは一応まだ冒険者としては駆け出しだから危険なのでは……なんて、いらん心配をしてしまう。先輩なんて呼ばれているから後輩気分だが、普通に年上だ。でも見た目がな……まだ15~6歳の子供に見えてしまうから心配してしまう。


「そうか、アサギ君達も行くのか。じゃあ一緒に行くか」

「そうだな。別々に行く理由がない」

「私としてもお二人と一緒の方が安心します!」

「ほう? レモン、それは私じゃ不安ってことかな?」

「いやいやいやそんな事ないですよあははははは」

「じゃあさっさと受注してくるか……行くぞ、アサギ」

「え、あ、うん」


 一言も発さないまま4人旅が決定してしまった時、僕はどういう顔をしたらいいのだろう?



  □   □   □   □



 クエスト板から受注カードを取り、それを手にギルド員さんの元へ行き、ステータスカードを提示してクエストを受注する。それは何処のギルドでも変わりない。


「ではアサギ様とダニエラ様には南の迷宮の町、レゼレントリブルの調査を行ってもらいます。現在、町は迷宮炉心に拠るブービートラップの結果、ダンジョンが裏返ったという報告が届いています」

「裏返った?」

「はい。上層と深層が裏返り、町の部分が深層に侵食されている状況です。住人には一応の避難勧告が出されましたが、一部立て籠もって生活している人間が居るそうです。迷宮街に住む規定上、救出の必要はありませんが、もし出会った場合、避難して貰えるよう伝えて頂けるとギルドとしても助かります」


 やはり残って商売なり何なりしてる連中は居るのか。助けなくていいとは言われても、それが目の前で魔物に襲われているとなれば、動かないアサギさんではない。


「ギルドから要求する目的は、調査及び迷宮災害の解決となります。Aランク冒険者には主に解決を優先して貰えると嬉しいです」

「僕達も解決出来るなら解決したいですからね」

「そう言って頂けると嬉しいです。なお、調査の際に火事場泥棒等が出現する可能性があります。そちらは排除してもらって構いません」


 盗賊なんかがてんやわんやの所に現れて金品を強奪、なんてのは良くある話だ。そちらは適宜排除していく方向でいこう。


「では質問等ありましたらどうぞ」

「大丈夫です。ダニエラは?」

「ない」

「だそうです」

「畏まりました。では受注完了です、ステータスカードをお返しします。お気を付けて、いってらっしゃいませ」


 トレーに乗せられたステータスカードを受け取り、1枚をダニエラに渡して自分のカードを持って確認する。


「ステータスオープン」



  ◇   ◇   ◇   ◇



名前:上社 朝霧

種族:人間

職業:冒険者(ランク:A)

二つ名:銀翆(ギンスイ)

LV:89

HP:850/850

MP:835/835

STR:463  VIT:481

AGI:936 DEX:482

INT:455  LUK:39

所持スキル:器用貧乏(-),神狼の脚(-),神狼の眼(-),片手剣術(9/10),短剣術(6/10),槍術(3/10),弓術(2/10),大剣術(6/10),気配感知(8/10),気配遮断(4/10),夜目(5/10)

所持魔法:氷魔法(9/10),水魔法(8/10),火魔法(2/10)

受注クエスト:レゼレントリブル迷宮災害調査

パーティー契約:ダニエラ=ヴィルシルフ

装備一覧:防具

     頭-なし

     体-氷竜(アイスドラゴン)軽鎧(ブレストアーマー)

     腕-氷竜(アイスドラゴン)小手(ガントレット)

     脚-氷竜(アイスドラゴン)脛当て(レガース)

     足-黒瞬豹(アクセルパンサー)革靴(ブーツ)

     武器-鎧の魔剣(グラム・パンツァー)

        -なし

        -なし

     衣服-風龍(ウィンドドラゴン)のポンチョ

        -風龍(ウィンドドラゴン)の腰布

        -風龍(ウィンドドラゴン)のスボン

     装飾-なし



  ◇   ◇   ◇   ◇ 



前回確認した時は確か帝剣武闘会にエントリーする前だったっけ。ウィンドドラゴン討伐とかあったけど、このレベルになると一気に上がることはないようだ。とは言え3レベル上がった。そろそろ90の大台。頑張っていきたい。あ、クエストはしっかり受注されている。問題なかった。


「じゃあ行こうか」


 僕の隣で同じく確認を終えたダニエラが促すのでステータスカードを仕舞って頷く。待たせていた店長とレモンの元へ行く。二人仲良く椅子に座って歓談していた。本当に気が合ったらしい。店長って何処と無くミステリアスというか、掴めない所があるからちょっと怖い所があったけど……いや、僕はもう慣れたけど。レモンはそういうの問題ないようだ。楽しげに笑っている。店長も其処に癒やしを見出したのかもしれない。レモンの笑顔は毒気がなくて愛らしいからね。


 しかしこうして集まった人間を見るとハーレム感あるね。いや、僕の嫁はダニエラだけなのだが。エルフ属性、姉属性、妹属性……いやはや異世界ハーレムとしてはテンプレ属性が集まったんじゃないか?


「しかしまぁ、アサギ君を私達が囲むとハーレム感あるね」

「店長……」

「アサギ先輩のハーレム……!」


 変な所でレモンが食いついてくる。


「いや、アサギの旦那は私だけだ」

「旦那は僕だ馬鹿野郎」

「はっはっは! まぁ、しばらくはよろしく頼むよ。ダンジョンなら何度か潜ったことがあるから頼りにしてくれ」

「私も冒険は初めてですが戦闘はそれなりに経験あります! 盗賊討伐もしたことがあるので対人戦も大丈夫ですよっ」

「あぁ、二人共よろしく。ダニエラは経験豊富だけど僕はそういう経験無いから頼りにしてるよ」


 こうして急造臨時ではあるが、4人パーティーが出来上がった。厳密には2パーティーだけどね。さ、早いところレゼレントリブルへ行くとしよう。到着する頃には町はすべてダンジョンに飲み込まれてましたは非常に面倒だ。

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