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憧れはシンデレラの王子様なのに私は白雪姫?  作者: 本庄梓
白雪姫と7人の小人と王子と異世界人2人
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「海は私を見ても普通だったの…普通に優しく笑い掛けてくれたのよ…今までみたいな厭らしい視線じゃなくて凄く温かさを感じた。その時に妖精の言葉を思い出したの『あぁ、この人だ』って」


「でも…カインもそんな今までみたいな男性の態度見せなかったでしょ?」



カインも白雪姫を見ても普通だった

岡本さんみたいに優しくは笑っては無かったけど


「そうね、でも何も感じなかったわ」


「それは先に岡本さんに会ってたからで…カインも偶々私と先に会っちゃっただけだと思うし…」


そうだよ、私と岡本さんが居なければ2人は運命を感じてた筈だよ、やっぱり…。


あの小屋で並んだ2人は本当にお似合いだったんだもん…


「そうだったかも知れないけど現実は違うでしょ?」


「……」


「私は海を好きになって運命を感じた、あの王子様も私より貴女に運命を感じてた…しかも私に会う前より先にね」


「白雪姫…」


「出会いの後先も運命だと思うわ。誰が書いた物語か知らないけどきっと貴女が思ってる通りの展開には進まないわ」


環境のせいもあるかも知れないけど白雪姫の精神はとても強い


最初はちょっと違うけど白雪姫はストックホルム症候群になってるのかと思ってた。

辛い場所から助けてくれた岡本さんに好意を寄せるのは当然だから

自分の命を預けてるから自分を守る為に好きなのかと



「私は他の誰でも嫌。海に振り向いて貰いたいの。私を1人の女として見て欲しい…その為なら協力でも何でもするわ」


うわー…なんて発言だよ


10代の小娘が『1人の女』なんて…でもその10代の小娘に完全に身体も精神も負けてるからなんも言えねー。


「ねぇ白雪姫…」


「何?」


「あの小人の仕切ってた眼鏡の男の子の事って…見覚えある?」


うーん、イルーナ君が聞いてたら笑顔で怒りそうだけど少しくらい…役に…と言うかハッキリ言うと自分が知りたいだけなんだけどさ


「あぁ、小屋にも来た子?」


「うん」


「…知らないわ」


「ですよねぇ…」


思ってた通りの回答有り難うございました。



「そろそろ眠くなってきたわ…」


「ごめん、なんか引き止めちゃって」


「別に、こんな風に人と横になって寝たり女子話なんてした事無かったから新鮮だったわ…おやすみなさい」


「おやすみなさい」


女子話って…白雪姫の年齢の女子トークに混ざれるなんて私の経験の少なさが目立つ


そんな白雪姫をチラッと見て私は上体を起こした


直ぐに眠りに着いたその姿は月夜に照らされて綺麗な顔がよく見える


もし、亡くなってると言われても信じられないくらいに美しい姿


これが本当のお姫様だよ…カイン


その夜、私は違うけど意味で少し涙で枕を濡らしてしまった


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