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「彼はニーチェ」
「ニーチェ……」
「エヘヘ…」
本人の代わりにイルーナ君が教えてくれた
『彼』と言うからには男の子か…?ピンクなのに普通ピンクと言えば戦隊物では女の子の筈…たまに黄色も女の子だけど。
しかもずっと笑顔で私を見つめてる
つぶらな瞳
うん、きっと良い子!
取り合えず、この中で私に好意的じゃないのはナナセだけと言うのが判った
小人達の意向で私はこの家に泊めてもらえるようになり、皆ともそれなりに打ち解けた
イルーナ君はやっぱり、リーダーシップがあってとても優しくて紳士的
サーシャちゃんも優しいけど、少し心配性で、私は何だか妹扱い
シークは物静かで凄く博識
ロックは本当に力持ちで、頼りになるし、ゴメスちゃんはヤンチャで可愛い
ニーチェは……うん、いつも笑顔で楽しそうだ
7人いれば6人と打ち解ければ十分だろう
「おい!お前、これどんな味付けしたんだよ!」
「お前じゃないわよ!イルーナ君の指示通りやったわよ、ナナセの味覚がおかしいんじゃないの?」
「何だと!?」
うん……7人いれば6人と打ち解けたら十分よ
泊めてくれる代わりに家事や買い物、洗濯とお手伝いした
「………」
綺麗な森の中で洗濯するのは凄く気持ちいい…手洗いは辛いけど。
でも、やっぱり居れば居る時間か長い程に疑問に思う。
「……いつ目覚めるのかな?」
小人達の洗濯物を干しながら思う
彼らとも打ち解けたし、街の人達とも仲良くなった…
でもあまりにもこの世界での生活日数が長過ぎ!
軽く2週間は過ぎた様な気がする
小人達も別に居てくれて構わないってナナセ以外は言ってくれるけど……
どうして私は目覚めない?
それに……白雪姫はいつ現れるの?
もしかして白雪姫なんて最初から存在しないパターン?
私の妄想だから……ここは本当に私が白雪姫設定?
「コイお姉さん、ちょっと良いですか?」
イルーナ君が洗濯場まで私を呼びに来てくれた
なんだろう?
家に戻るといつもの定位置の様にテーブルを囲んで皆が座る
私の椅子もロックが作ってくれた
「僕達、暫く山の方のお仕事で家を空ける事になるので、コイお姉さんは家の留守お願い出来ますか?」
「山のお仕事?」
「炭鉱の仕事さ、洞窟だから直ぐに帰って来れないんだ」
「良い子にしててね?」
ロックが説明をして、ゴメスが頭を撫でてくれる
炭鉱の仕事か……
そう言えばお話の中で7人の小人が家を空けてる時に白雪姫が悪い魔女が作った毒リンゴを口にして…