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そう言いながらサーシャちゃんは私の腰を続けて撫でてくれる
男ならセクハラだがサーシャちゃんは無言の優しさだ。
「なんだよ、俺も行きてーなぁ」
「ナナセが行っても話が纏まらない、それと馬の上で喧嘩するに決まってるだろ?」
「おい、顎だけで確認させるなよ」
シークはカインを呼ぶ事なく顎でナナセに視線を向けただけ
本当に…イルーナ君以外は王子扱い無しね。
私もだけどさ。
「どうですか?王子?それなら……ですみますよ?」
イルーナ君はカインを手招きして耳元で話してる
勿論、私達には聞こえない…だけどサーシャちゃんは小さな声でニヤニヤする
「イルーナってば…駒を動かすには策略も大事よね」
「?」
駒?策略?
「それなら連れてくのはイルーナが良い、ソイツでも喧嘩になりそうだからな」
イルーナ君の内職話を聞き終わったカインは頷いてシークを指さした
顎の件…密かにムカついてんだな、コイツ。
「喧嘩を仕掛けて来るのはそっちだろ、まぁ…確かにイルーナが一番適任だな、コイお姉さんもそれで良い?」
「あ…うん、そうしてくれると有り難いんだけど」
馬に乗らなくて良いのは凄く有り難い
だけど、皆の司令塔みたいなイルーナ君を私の変わりにって…その間は私、イルーナ君みたいな的確な事を皆に指示出来るのかな?
今、やっとこさ薪を綺麗に割れる様になったばかりなのに。
「おい」
「………」
「おい、そこのバカ女!」
「痛っ!なにするのよナナセ!」
いきなり頭を叩かれて前を向くとナナセが仁王立ちしてる
ベットに座ってるからナナセの方が視線が高いのが苛っとした
「お前、まさかイルーナの変わりが出来るかな?とか考えてねー?もし考えてたら随分めでたい頭だな」
「………」
「お前の代わりにイルーナが動いたからイルーナの仕事をお前が出来るわけねーじゃん!」
「逆に言えばイルーナの代わりは俺達でも無理って事、解る?コイお姉さん?」
シークは然り気無く私の隣に座って膝に置いてる手に触れる
変だけど、ドキッとしてシークを見ると今度は頭を撫でられた
「シーク…」
「多分、俺達の中で一番知識が有るのはイルーナ、だから今回の白雪姫説得にも適任だと思う。他の奴が行っても上手く行くかわからない。だから適材適所って事だよ。だからってイルーナが居なくなった穴埋めはさっきも言ったけど誰でも出来ない」
「………」
「コイお姉さんにはコイお姉さんしか出来ない事が有るように、俺もコイお姉さんの穴埋め役は出来ないから…異世界の知識を利用してこれからの事を考えたり?体力つける為に薪を割るのも今のコイお姉さんにしか出来ない事…解った?」




