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憧れはシンデレラの王子様なのに私は白雪姫?  作者: 本庄梓
最後の選択肢
198/592

『これ』を疑問に思う間も無く私の首元のファーを取られる


あっ!


「駄目っ…」


押さえようと思っても私の手はカインに封じられてて簡単にカインに奪われる


「駄目?そんな事言って隠しても知ってるし…」


「隠してたなんてっ…」


「何?隠してもなかったわけ?じゃあ別に見られても構わなかったのかよ?自分はアリスのだって」


「違っ…っ」


勿論隠してたその痕をカインがなぞると体に緊張が走る


「触れられたら嫌か?…アリス以外の男に」


「何言って…これはっ…アリス王子がいきなり…それに私は物じゃないわよ!」


まるで当たり前みたいに言われて思わず声が大きくなる


「…じゃあ合意じゃないのかよ?」


「当たり前でしょ!」


「こんな場所普通の時に出来ないと思うけど?」


さっきから私は 否定ばっかりで逆にカインは尋問ばかり。


普通の時にって夜着じゃないと難しい事を知ってるそっちもどうよ?


「とにかくっ…勝手につけられただけ!私の意思はなかったのっ!信じてよ……」


確かに隠してた

こんな痕を見られたら正しく正妃候補

しかもファーストダンスまで踊っちゃってるんだから…


でも1番知られたくない相手に誤解されるのは正妃候補だと思われるより嫌だ



「狡い奴」


「何が…とにかく手……っん…!」


カインの言葉の意味が理解出来ない内に今度は手じゃなくてキスされた…


正確にはアリス王子と同じ場所に噛みつかれた様な感じ


「勝手にならいいんだろ?」


「…やぁ…カインっ……」


そう言うとまたされた

アリス王子と同じ行為なのになんか変な感じがする

強く吸われたり舐められたり


手で感じたよりも身体の奥がズクッとして声が甘くなる


やだ…変な声っ…!


「そんな声アリスにも聞かせた?なぁ、どこまでしたんだよ?お前の事…全部知ってるのかよアイツが…」


「んっ…やぁ…もうっ!」


「痛っ!」


どこまで?!


首筋だけじゃなくて耳まで舐められてやっと危機感を発揮した私はカインを突き飛ばす


もう渾身の力だ

ただてさえ身体の力が抜けてるのに火事場のなんとかって本当に存在するんだと実感


カインは衣装が並ぶラックに吹っ飛んだけど大量のドレスがクッションになってるから大丈夫だろう


…別にカインに触れられるのは嫌じゃなかったけど


『他の男の物』みたいな触れ方が凄く嫌だった


「カインの馬鹿っ!…なんなのよ、いきなり……居なくなった癖に…譲れないとか言った癖に…カインの馬鹿」


取り合えず1番言いたい台詞を口にすると言葉が溢れてくる


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