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レラは僕の乳母の娘で小さい時から知ってる間柄だ
今は主に白雪さんの侍女についている
「じゃあ…」
「僕はね、彼女が運命の相手だって今でも思ってるよ、だから彼女には1番幸せになって欲しいんだ」
「それをアリス王子が…」
「うん、彼女が望めばね?絶対に世界一幸せにするよ、でもまだ彼女は迷ってる…彼女が幸せになる選択肢は減らしたくない…後はカイン次第だ」
「……でも私は…」
「有り難うレラ。だからと言って好きでもない相手とは婚姻はしないし、王位も譲らないから」
「変わりましたねアリス…あっ、ごめんなさい!」
「気にしなくていいのに」
慌てて頭を下げるレラに苦笑する
小さい時はお互い普通に名前で呼びあってたのに
レラは名前が長いからって僕が短く呼んでる
「そういう訳にはいきません、アリス王子」
「相変わらず自分に厳しいね、2人だけの時は良いんだよ……シンデレラ」
「駄目です、それに私はレラが良いです」
「わかったよ、レラ」
そんな厳しい彼女にまた笑みが溢れる
シンデレラの王子様ね……。
「どうかしましたか?」
「いや、思い通りに物事は行かないなってね」
「諦めないで下さいね?」
「うん、そうだね」