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明らかに公爵である事を強調した説明の仕方
どうやってあしらおうと考えてるとカインが彼女の前に立ってジッと見つめてる
えぇ?嘘でしょ?
カイン、お前女は誰でも良いタイプだったけどこういうの好きだっけ?
こんないかにも欲の塊の公爵令嬢なんか厄介でしかないのに
「…シンデレラ?」
「はいっ!そうです、シンデレラですっどうして私の名前を?」
「有名だからな色んな意味で」
「まぁ!王家で有名だなんて…ではアリス王子も私の事を…」
目の前のタテロール宜しく公爵令嬢は恥ずかしい仕種をしてるつもりだろうがどうみても勝ち誇った態度にしか見えない。
「あぁ、知ってると思うぞ」
「まぁ!ではさっき目が合ったのも気のせいじゃ無いわね…でもっ!カイン王子にまで目に止まるなんて光栄ですわ!」
「……俺の事知ってるの?」
「勿論です!アリス王子の幼馴染みでノクターン国の第2王子様です!今回はアリス王子の正妃候補を探す名目だと聞いていましたけど…カイン王子様もお探しだと噂に聞きました!」
随分、王家に詳しい令嬢だ
しかも気のせいかアリス王子よりカインに標準を当て始めてる感じする
さっきから『カイン王子様』って。
…わかりやすいの
でも判断的には間違って無い。
アリス王子は今あの子とダンスを踊ってる。
1番最初にこの国の王子がダンスをお願いする相手とは結構特別だし、やっぱり裏の目的も公爵クラスなら知ってる可能性もある。
さっさとアリス王子を見切って同じ王族に切り替えるのは逆に清清しい
そしてわかりやすい、人より地位を求めてるって。
「…気になってたからな、本当の運命の相手が本当にお前か……まぁアリスに確認したけど鼻で笑われたけど…これじゃ駄目だな」
「え?」
カインはかなりテンションが上がってる公爵令嬢をもう1回上から下までマジマジ見てから大袈裟な感じで息を吐いて何もなかった様に足をまた馬小屋に向けて歩き出す
「おい、カイン!ごめんねぇ~今ちょっと取り込み中で。君も早く広間に戻って相手を探した方が良いよ~」
『早くしないと身分の高い連中は居なくなっちゃうから』とはわざわざ言わなかったけどね。
「ちょっと…カイン王子様!私とダンス踊って下さい!」
「ちょっと公爵令嬢」
「私は王妃になりたくて…ならなきゃいけないのよ勝つ為に!この舞台会を凄く楽しみにしてたのになんなの?あの女は…アリス王子が姿を現してたらずっと視線を送られてたのも気に入らなかったけどファーストダンスまで」