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憧れはシンデレラの王子様なのに私は白雪姫?  作者: 本庄梓
欲張りなシンデレラと貧欲な女の子
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「アリス王子っ!」


「あはは、真っ赤になってる」


「もうっ!早く仕事に戻ってよ」


「えー僕も練習しようかな?」




「…行きましょうか」


「え?宜しいのですか?」


「王妃が呼んでるでるなら仕方ないから」


子供みたいな我が儘を言い始めたアリス王子を背に侍女と部屋を出ようとする私に侍女が焦るのはいつもの事


「頑張ってね?コイさん」


「まだ踊るって決めて無いからね」


掛けられた声に振り返って言うと笑顔で頷かれた


「いいよ、当日は正妃の椅子に座っててくれるだけで」


「もうっ!」


上手く返されて執務室を慌てて出る





「本当に私嬉しいです」


「え?」


「あ…すみません、姫様に自分から声を掛けるなんてっ…申し訳ありません」


「ちょっと…止めて止めて」


だだっ広い廊下で大木な声で彼女は頭を深く下げて私に謝る


誰も居ないならまだいいけど結構他の人とかウロウロしてる状況でこんな事されたら…


『私が権力を振り年若い侍女を虐めてる』と思われるではないか!


実際権力なんて何も無いけど、姫様扱いされてる以上皆私に丁寧に接する


城の者からしたら未来の正妃に見えてるんだろうな


アリス王子はちょっと休む為に居て良いって言ってるけど…そんな理由誰も信じないもん。





「頭を上げてっ!」


「申し訳ありませんっ!」


「だからっ!もう!」


取り合えず言葉では言う事を聞いてくれない彼女を強引に頭を上げさせるがまた頭を下げようとするのを止める


これじゃ本当に虐めてる様な構図じゃないか…


顔を上げた侍女は少し眼鏡がずれてしまったのか一瞬その眼鏡を外した


おぉ…結構可愛いじゃん?


まるで町のチンピラみないな事を心の中で呟く

飛びきり美人と言うわけじゃなくて…なんか可愛らしさを感じる。

これは好みの問題だけど、白雪姫の可愛さより私は彼女がタイプかも知れない…


「あの…?」


「あっ…ごめんね?何でも無い!」


イカンイカン思わずガン見してしまった

私が姫様扱いの人物じゃなかったら即刻摘まみ出されてるだろうな


「こちらこそ、つい嬉しくて…」


「嬉しいって?」


キチンと眼鏡を掛けた彼女は今度は頭を下げずそのまま歩くように話してくれた


彼女が王家の侍女になった時、まだアリス王子は眠り姫状態では無かったらしい


そんなアリス王子の乳母が彼女の母親らしく小さな時から知ってたけど異性を嫌い何処かいつも遠くを見てる感じが凄く儚げだったと


「お姿を拝見しても何だか消えそうな雰囲気だと侍女達の間では噂してました」

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