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憧れはシンデレラの王子様なのに私は白雪姫?  作者: 本庄梓
欲張りなシンデレラと貧欲な女の子
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大きなソファに座り素直に率直な意見を口に出す


歳が同じでもアリス王子は落ち着いててこんな事を言っても笑顔で答えてくれる


王子は王子でも大違い


「そうだね、経理課だったから」




『アリス王子…』


『この城に居てください。小人達には伝令で伝えます。白雪さん…コイさんは僕の所に居ると…暫くちょっと休むって』


『休む?』


『ずっと気を張ってた様な感じがします、当たり前ですけどね。自分の住む世界がいきなり変わってしまうんですから』


イルーナ君達に自分の事を話した時を思い出した

あの時は泣いてしまったけど流石にこの環境に馴れて泣かないと思ってたなのに…何だか目頭が熱い


『何で……もう平気なのに』


『………此処に居てください』


『……っ…』



戸惑ってる私を優しく抱き締めてくれるアリス王子に私は何も言えなかった


環境じゃない…今泣いてるのは別の哀しみだから


もっとちゃんと伝えてれば…私なんかじゃ駄目とか思わずに言えてれば良かったのに。



バカなのはカインじゃなくて私だ


『傷ついた時の女の子程落ちやすい』と前に営業マンが言ってて秘書課から反感買ってたっけ?


でも梨子は『確かにね』って納得してたけど…何だ か解る気がする

しかも抱き締めて優しくしてくれてるのは理想の王子様だ


シンデレラを愛する王子様じゃないのに


落ちるのかな?


私は…この優しさに…





そんな事をアリス王子を見ながら思い出してるとノックが控えめに聞こえた



「失礼致します…宜しいでしょうか?」


「あぁ」


「姫様との時間ですのに申し訳ありません」


「……」


入ってきたのは若い侍女で本当にいつも申し訳無さそうな顔をする


隠れてサボってる私とは違って公務で忙しいアリス王子の邪魔してるのは私なんだよね…なのにそんな顔されると私が申し訳なくなるよ


「母上が?」


「はい、そろそろ姫様をと…」


「残念、隠れて逢引きしてたのに」


「アリス王子!」


「向こうではデートだよね?」


「私は隠れてただけでどっちも違うから!」


笑顔で向こうの言葉を使うアリス王子は最初の印象より大分変わった


本当に大人しい王子だったのかってくらい結構大胆な結論とか公務で話してるし…まぁ、王子だから当たり前だけど


「それは残念…でも此処でずっと隠れて居られるのは…白雪さんだけですよ?」


「……っ…!」


立派な椅子から立ち上り侍女に聞こえない様に私に名前を呼ぶ


当然、耳元で囁くレベルまで近付いてる

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