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でももしカインが王子じゃなかったら…『正妃』とか『聖女』とか荷が重いと思ってたけど只のカインなら良いのにって考えてた事もある
それって良く考えるともう王子様とか関係なく私はカインが好きになってた
なんの重荷も無かったら…なんてこっちに来る前の私からは考えられない。
『王子じゃない方が良いのに』とか思うなんて
カインが良い…乱暴で強引で女性経験多くて…優しくて純粋なアリス王子より
「信じられないな…自分でも」
コンコンッ
「姫様、入っても宜しいでしょうか?」
そんな考えに何故か可笑しくなって笑いそうになってると扉を叩く音がして反射的に飛び起きる
「はいっ!」
もうイチイチ呼び方には訂正するのは止めた
お風呂の時から侍女達も周りの騎士も私の事を『姫』と呼ぶから面倒になってきたから
「失礼致します、お目覚めでなによりです」
年配の侍女がそう言いながらも他の侍女達は何だか部屋を動き始めてる
カーテンを開けてクローゼットみたいな場所からドレスみたいな物を探ってる
その姿を見て溜め息が出る
昨日の夜もこの寝間着を着るので一悶着したもんだ
誰もスウェットや短パンで寝たいなんて我儘言ってないよ?
サーシャ ちゃんのお下がりだって別に普通のパジャマだったから
「………」
今、自分が着てるのは向こうの世界で言えばネグリジェって感じだけど…何だろ?
ちょっとエロチックなんだよね
全体的に透けてる様な気がするし直ぐに脱げそうな紐だ
ボタンなんて無くて紐なんだよ
やっぱり…そう言う作りのネグリジェだなって思う
夜の営みの為に直ぐ脱がせるみたいな
「良く眠れましたか?」
「全くですね」
「正直ですね、今日は舞踏会の為の練習が食事が終わってから直ぐに予定してます。それから…」
ちょっとした反抗心で返したが向こうには一撃も与えられなく淡々と今日の予定を話す侍女と私の着替えを当たり前の様にする侍女達
勿論、こんな無抵抗な寝間着は直ぐに脱がされて私は昨日のドレスみたいな格好を手際よくされてく
昔お母さんに言われた事を今更理解した
『お姫様って良いよね?何でも周りの人がやってくれるから!着替えもお風呂も全部』
『そうねぇ、そんな生活も外国で存在するかも知れないけど不便な事よ?自分の事を自分で出来ないって地味にストレス溜まりそうだわ』
『そうかなぁ~絶対楽だよ。やっぱりお姫様になりたい!』
お母さん…貴女の言う事は最もです。
次にそちらに帰った時に謝りますね。
本当に地味にストレス溜まる!