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別に悪い事はしてないけど反射的に隠れてしまう
高さは結構高くて2人が居るのは下のバルコニー
と言う事は私はカイン達より上に居るんだ
「…でどうするの?」
「……は……だからな」
何か話してるんだけど良く聞こえない
手を伸ばして窓を少し開けてまたしゃがむ
さっきの侍女達を忍者呼ばわりしたけど自分の方が忍者だよ
こんな格好なのに…どうか誰も通らないで!
「じゃあ戻るの?」
「それしか無いだろ?それにいつまでも姫探ししてるわけにはいかない。まだ戦争は終わってないからな」
戻る?
「そうだよね…カインは本当に立派な王子になったよね。僕と違って」
「アリス…」
「僕はいつまでも夢を見てたからさ」
「だから王妃が心配してんじゃねーか。まぁそれがお前の良い所だから…それに夢見てて良かったじゃん」
「カイン」
「向こうの世界でもこっちの世界でも出会うなんて…本当に運命としか言えねーし?」
その後は急に昔話を始めたカインに私はまた気付かれない様に窓を締めた
何で?諦めないんじゃなかったの?
さっきの会話だけ聞くとカインは城に帰ってしまいそう
「…………」
その場から立ち上り私はスタート地点に戻るつもりで歩き出した