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その場の状況とは言え随分口の悪い女だと思われちゃったよなぁ…
別に好かれたいとは思わないけど積極的に人に嫌われたいわけではないから後で謝ろう
彼女達は仕事なんだ命令した王妃にちゃんと言わないと
ダンスの練習なんてしたくないし…私は舞踏会なんて…出るつもりも…
『シンデレラになりたい!』
「…でもなぁ…私は…」
カインに会う前なら私は喜んだのだろうか?
アリス王子の告白や今の現状を
そんな事は今の私にはわからない…だってカインに会ってしまったから
「よしっ…何とか着れたけど…」
頭の中で『汚ない』イメージが強く残ってしまっててかなり念入りに身体を磨いた
肌がちょっと紅くなるくらいに
もう少し洗おうかと思ったけどあまりにも遅いと忍者軍団が現れそうで断念した
でもやっぱり王宮のシャンプー的な物は質が良い
洗った直後でも判る。
髪がサラサラだ…当たり前だけどドライヤーは無いから置いてたドレスみたいのを取り合えず着てタオルで髪を拭く
「この服……」
目の前に鏡に映る自分を見て泣きたくなる
まさかピンク色のドレスを着るなんて…しかもフリフリの。
ゴスロリまでいかなくてシンプルだけど『theカワイイ』っ て感じがまた似合わない!
これならサーシャちゃんのお下がりのちょっと派手な大人らしいのが良い
「いくら幼く見えても今年23になるんだよ…恥ずかしい」
この世界に来て年齢には敏感だ
別に普段からこうゆう系が好きなら別に年齢とか関係なく良いと思う
好きな物を着るのが1番良いと思うの、法に触れなければさ?
でも私は避けてた。
お姫様に憧れてたけど自分に似合わないと感じて封印した
それからは清楚系の控えめの服を着てた。
白とか淡い色のスカートとか、ヒラヒラしたのも控えめので。
髪は染める事もしなく黒髪一本で勝負、化粧も殆どナチュラル(これに限っては先輩達に散々嫌みを言われたけどね)
『若さアピール?』
『今だけよ?そんなナチュラルメイク通用するの』
『そうそう、これからはテコ入れ修正していかないと駄目なんだから』
莉子的には『逆にあざとい、そりゃ反感買うわ』とかなんとか言われたけど。
白を着てしまう辺りはやっぱりまだ『お姫様』幻想が残る証拠だったのかも知れない。
でも所属する課が服装に結構寛容で許される内は来てようと思ってたけど…この色は避けてた。
「こんな姿、先輩達に見せたら…ガチのリンチだよ、本当に」
「姫様、開けても宜しいでしょうか?」
「…はい、どうぞ」
ここで時間を遅らせても恥ずかし い時間が延びるのは自分だ
もしかしたら他の服とかあるかも知れないから聞いてみるか