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「まぁ!話下手なアリスがこんなに女性を笑わせられるなんて…凄い進歩だと思わない?カイン王子」
王妃の言葉に私はドキッとしてカインを見ると今度はこっちを見てた…見てたけど私とは目が合わない
「そうですね、そのまま免疫強化してったら良いんじゃないですか?」
そう言いながらこっちに歩いて来て近付く度に私の心臓の音は大きくなると同時に不安になる
何で目が合わないの?
さっき笑ったのは良くなかったよね?
嫌われたらどうしよう?
「そうねっ!じゃあコイさんアリスを宜しくね?」
「あの…」
「王妃それは舞踏会で沢山の姫君達と強化して下さい、これは駄目なんで」
「きゃ!」
王妃とアリス王子の間に居た私を奪う様に引っ張って自分の胸に押し付けた…と思う。
目の前は真っ暗だけど匂いはカインの匂いだから
「ちょっと…」
「さっきから楽しそうにしやがって」
「痛っ!」
必死で顔を上げると頬を容赦なくつねられた
本当に容赦なく
「カインっ!」
「理想の王子様と会わせるとは言った、それにまさか2人が知り合いだとは思わなくて…ちょっと諦めようかと思った、相手がアリスだし」
「………」
アリス王子の声は無視してさっきとは真逆に私の頬を撫でながら言う
「もしかすると本当に運命の相手なのかも知れない…だけど俺も譲れねーや」
「………やっぱりドS」
「は?」
自分でつねった癖に…撫でるなんて。
「カインらしいね…でも僕も今回は譲れない、母上、舞踏会の準備宜しくお願いします」
「アリス王子!」
「勿論、国中の女性を対象に開きます。だから…今、この城に居る女性は舞踏会に参加する権利が当然有って…国の第1王子が招待します」
「汚ねーな」
「反対の立場なら君だって権力使うでしょ?」
「それは…」
「それにまだ完全にカインに奪われて無いみたいだし…僕の事も見て下さい」
2人のやり取りの内容は正直良く理解出来なかったけど、私は舞踏会に参加する事は決定らしい
カインの顔を見るとまた頬をつねられた
それから私は忍者みたいな集団に手を取られて部屋を出て服を脱がされた
「ちょっとっ!何!?」
勿論、その集団は全員女性だし部屋みたいな場所だけど、こじんまりした茶室みたいな所
脱がすのも『失礼します』と断ってるけどかなり強引
リンチするにはちょうど良い場所だ
さっきまで『姫』だとか逆ハー的な華やかな世界に居た筈なのに今度は『リンチ』ですか?