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「正解?」
「イルーナはお前の為に戻ろうって言ったんだよ」
私の為に?
ナナセは乱暴に言いながら空いてる椅子に座る
「 記憶が無いコイお姉さんを1人にするのが心配で…お城の兵もまだ街に沢山来るので遅くなる事に胸騒ぎかしたんです」
「イルーナ君…」
私は大人だしそんな心配要らなかったのに
なんてこんな状態になった身でとてもじゃないけど言えない
それに…優しく言うイルーナ君に嬉しさが込み上げる。
「良かった…帰ってきて」
「ごめんなさい…私…」
嬉しさと一緒に申し訳無い気持ちも生まれる
だって……まんまとぶっ倒れちゃった事に…しかも毒リンゴを食べるなんて。
『白雪姫』の物語を知ってるのにドアを開けてリンゴを食べてしまったのはなんでだろう?
一番警戒しろよって!物語を読んでて思ってたシーンに自分が引っ掛かるなんて
「コイお姉さん、毒リンゴは誰に…?」
「えっと…お婆さんだったかな」
あの占いのお婆さんに似てた。
「…そうですか」
「イルーナ君?」
考え込むような顔を覗く
そういえば解毒なんて普通に有るものなのかな?
そのお陰で助かったんだけど
「出来たわよ~」
部屋の中に可愛い声か聞こえる
「…とりあえず向こうで食べましょうか?動けますか?」
「うん」
イルーナ君の顔がちょっと困った様に笑ったけど…
「あ~腹へった!炭鉱より重い物持ったからかな~疲れとれねーや」
「………」
「気にしないでくださいね」
「大丈夫」
ナナセはわざと大きな声で良いながら部屋を出て行く
何よ私が倒れて時間経ってる癖に疲れが取れないなんて運動不足め!
言い返してやろうと思ったけどイルーナ君に免じて許してやろう
全く本当に同じ小人なのにどうしてこんなに違うのかしら?
小人でも個性は有るけどさ
「ニーチェ?起きて?」
ベッドから起き上がろうとする時の重みで此処にも個性的な小人を思い出す
こんなに話したのに起きないなんて
肩を揺するとニーチェは起き上がった
「………」
「起きた?」
「えへへ…」
「心配してくれたのよね、ありがとうニーチェ」
「えへへ…」
満面の笑みのニーチェの頭を撫でなが二人で移動するとサーチャちゃんは人数分の御飯をテーブルに用意してくれてたけど、ちょっとビックリ
さっき簡単な物って言ったからお粥みたいな物かと思ってたけど、パンにクリームシチュー、サラダに果物