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憧れはシンデレラの王子様なのに私は白雪姫?  作者: 本庄梓
岡本さんの過去
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「素敵な人ですね」


私なら最初の言葉は言うかも知れないけど『また恋をして』みたいな事は付け加えられないな…

自分が愛した人…しかも結婚まで決めてる相手に。


「じゃああの女…生まれ変わりじゃ無いかも知れないけど此方に飛ばされるくらいの運命の相手かもしれないだろ?」


「………」


岡本さんはカインの言葉に無言だ

いくらなんでもそんなに簡単に切り替えなんて無理だよね

だって…まだ亡くなって間もないんだもん。



「…私の事を今は好きじゃ無くてもいいっ!」


「姫」


なんて言おうか迷ってると綺麗な声が後ろから聞こえて振り返ると白雪姫がいる

その顔はいつも以上に白い


「白雪姫…起きたの?」


「ちょっと状況にビックリしたけど、大体の事は聞いたわ…海の話も聞いたわ…」


そりゃビックリするよね、起きたら小人が大人になってるんだから…多分イルーナ君が大まかな事を説明して白雪姫は急いで岡本さんの所に来たんだろう。


「聞いたのでしたら解ってくれますね?」


「私は全部そっくりなの?姿も声も?」


「…年齢は違いますよ?」


「性格は?こんなに我が儘?それに…こんなに汚く無いでしょ?」



「姫は汚くありません」



辛そうに言う白雪姫の肩に岡本さんが手を置くとその手を白雪姫は握る


「じゃあ海が私を幸せにして?どんなに時間掛かっても平気よ?私、若いからまだまだ時間有るから待てるわ…どんなに時間掛けても海を振り向かせてみせるから…」



誰からも愛される白雪姫がたった1人を求めてる

そのたった1人は白雪姫を好きだけど愛情じゃない


なんだか悲しい


「姫、俺は彼女をまだ愛してます…きっとこれからも忘れられませんよ?」


「それでも良いわ、その人の変わりでも…海を…いつも寂しそうに笑う海を笑顔に出来るなら2番目でも良い。こんな私を綺麗だと…心も体も綺麗だと言ってくれた人を私…運命じゃないなんて思わない。時空は違うかも知れないけど生まれ変わりかも知れないわ」


「それは…ズルいですね」


「女はズルいものよ…どんな事をしても欲しい者は…亡くなった人も味方につけるわ」


「愛に変わらなくても?」


「此方に居る限り諦めない」


岡本さんより10歳も下とは思えない強い気持ちと眼差し


『白雪姫』が2番目でも良いなんて…きっと白雪姫の運命の相手は岡本さんしかいない


「取り合えず今まで通り一緒に暮らしたらどうだ?もう向こうには帰れないんだし。継母が守っても城には王が居るからどうせその女も帰れないだろ?」


「海……お願い」


「岡本さん…」


「じゃあユックリ姫の相手を探すとするかな」


「いくら探しても無理だけどね」


岡本さんはいつもの少し切ない笑顔より少し嬉しそうに微笑んだ


「これは折れるしか 無さそうだな?」


「みたいですね」


強く岡本さんに抱き着く白雪姫を見ながら私は頷いた

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