6
「王子ならさっき岡本さんと外に出て行ったよ」
「行ったよ~」
カインの姿を探してるとなんかデコボコな2人が教えてくれる
えっと…図体が大きいのが多分ロックかな?髪が紫だけど…結構なロングにビックリ…髪を括ってるけど私より長いかな?
しかも声が低いから…
「オカマみたいだよね?」
「え!?私…口に出してた?」
知らない間にオネェみたいって言ってたの?!
隣の背が小さな子が笑いながら言う
多分ゴメス
水色の髪は肩より短いけど声が高いし現代の男の子でも居る長さだから違和感無いけど…ロックは…
「長い髪は気にいってるんだけど変かな?」
「ううん!変じゃない!1番御伽の国ッポイ」
そうだよ、向こうだと長髪ってビジュアル系とか個性強い人が多いけど此所は異世界なんだもの
長髪なんて街にもお城にもいっぱいいたから変じゃない
「違うよ、その野太い声が違和感あんの」
「ゴメスっ!」
ハッキリと言うゴメスの口を思わず覆う
「ロック、違和感少し有るけど個性だから!それに男の子は皆声が低くなるから」
これって慰めになってる?
でも何か言わないと…なんだかロックって優しいし結構繊細な男の子だもんね
「そう?でもシークも声変わりしたけど…アイツは高い声も低いのも出せるんだよなぁ…他の皆も俺ほど低くないし…」
違う、違うよロック。
きっと シークは使い分けてるんだ!
絶対そうだ…甘える時は高く!口説く時は低く!
「ロック、ごめんね?私もギャップに驚いたけど低い声も素敵よ?それに髪凄く綺麗ね?今度手入れ教えてね?」
大きな身体がしょんぼりしてるのは見てて悲しいわ…
それに本当に綺麗な髪
私、今度は向こうのシャンプーとか持ってきたいくらいだからなぁ
「有り難う…コイお姉さん」
「コイお姉さんは誉め上手だね~でも今1番気持ちを上げないとけ駄目な奴は此処に居ないね」
「……?」
いつの間にか私の捕獲からすり抜けたゴメスがニヤリと笑う
あっ!カイン!
でも…岡本さんと一緒って事は何か話が有る筈だから邪魔しちゃ駄目かな?
「行ったら?サーシャが目を離したらまた捕まるかもよ?」
ゴメスはチラッとシークを見て家の入口を指差したから頷いて外に出た
きっと馬の所だから裏だよね?
邪魔しそうだったら引き上げよう。
「本当にそれで良いのか?」
「ちゃんと決めて戻って来たから良いんだ…姫を幸せにする、俺が向こうで出来なかった事を白雪姫には叶えてあげたい」
「だからそれはお前が…」
「俺じゃない…俺は駄目だ」
2人の姿が見えて声を掛けようと思ったら聴こえて来た話の内容に足が止まる
岡本さん、もう戻れない事をカインにも話したんだ