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「…それで色んな条件が当てはまった俺達が引き寄せられたって事か」
「でも…来れる回数は継母にも変える事は出来なくて…こっちに来てもその…岡本さんなら『狩人』私なら『白雪姫』になる事を決めるのは私達自身」
それで岡本さんは『狩人』の様な役割りを決めたのかな?
でも物語だとその役割はとても悲しい…物語の狩人の気持ちは知らないけど2人は結ばれないんだから
「それで?俺達に魔法掛けたのは?」
「それは継母」
「やっぱりか…」
シークが呟くと、その理由を私は話した。
白雪姫の虐待、継母の過去の虐待から大人の姿の皆には会わせたくないと思った事
それと私に毒リンゴを食べさせたのは継母じゃない事も。
「そうよねぇ、『白雪姫』になって欲しいコイお姉さんに食べさせないよねぇ…でもその方がそこの金貨王子とさっさと結ばれたのかな?そう考えると…」
「多分、そこまで時間の流れは変えられなかったのかも…私と岡本さんも居る時間も帰る時間も全く違うし。継母はとにかく全てを回避したかったんだと思う…白雪姫の為に」
そして私には選択肢の為に空間管理者が毒リンゴを食べさせたんだろう…2回目は選択肢なんて無かったけど…こっちに戻って来たいとは思ってたもんね、半年前は。
「溺愛だな」
「やっぱり王妃は姫を愛して居たんですね…
」
イルーナ君はどこか嬉しそうに言う
「取り合えず白雪姫が起きたら継母の事を教えてあげないとな」
岡本さんも嬉しそう…継母の愛が本当で良かったって心底思ってるだろうけど、やっぱり岡本さんの事も気になるよ
「で?俺達はいつ戻れるんだよ、コイ」
「あ……」
「あっじゃねーよ!聞いて来なかったとは言わせねーぞ?継母が俺達に掛けたんだろこんな魔法を!和解したなら戻せるだろ?」
ナナセの声に小瓶の事を思い出すと隣のカインが項垂れた
カインの気持ちは良く解らないけど…ナナセが和解なんて言葉を知ってた事に感動してしまう
バカなのにっ!
「あ…あのね、これなんだけど継母から皆に…」
最初に継母から貰った物はカインがその場で捨てて割れた。
私は執事から貰ったスペアを皆の前に7個出す
「これは?」
「もしかして解毒剤みたいな物でしょうか?」
透明な液体をした小瓶をシークが取ってイルーナ君が私を見て正解を口にする
その言葉に頷くと1番に飲んだのはシークとナナセ
イルーナ君は丁寧に私にお礼を言って皆に配ってる
おいおい、本当に性格が出るなぁ…
「本当は戻したく無いけど…このままじゃ不便だしコイお姉さんを引き止められないから仕方ないわよねぇ」
サーシャちゃんはシークを見つめながら溜め息を吐いて小瓶を持って部屋を出て行こうとする
「飲まないの?」