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良かった…変わってない
私の顔はこの世界で倒れた時のままの髪型と洋服
大人だから半年でそんなに変わっては無いと思うけど目に見えた変化は無し
その事に一番ホッとした。
イルーナ君達の態度からしたら変化は無いと思ってたけど…優しい皆の事だ、知らない振りをしてくれてたかも知れない
「後、1回…………」
半年なら大丈夫だけど……今度はどうなの?
直ぐにまた来れるなら大丈夫だけど、何年も先だったら?
それより今回はどれくらいこの世界に居られるのだろう?
向こうで手懸かりの占いのお婆さんとローブの男にもなんの情報も得られなかった
行けるのは3回……今来たから2回目って事で…
「もしかしたらこのまま向こうには帰れなかも知れないって……なんか疲れた」
帰れないって、そもそも向こうが私の現実なのかもわからなくなってきたよ
「おいっ!目覚めたのか?」
混乱してる私の頭を叩かれたみたいな声が響いた
声がしたドアを見ると赤い服を来た男の子が何かを持って立っていた
「女性の部屋にノックも無しに入るなんて非常識です」
その男の子の後ろから緑の服のイルーナ君が姿を現す
「おい、聞いてんのか?」
「痛っ……」
強くはないけど弱くもない突然の頭への刺激は赤い小人が犯人
何?
この小人いきなり頭殴るって一体どういう教育を受けてるのかしら?
「ナナセっ!なんて事をするんですか!」
「なんだよ、ちゃんと起きてるのか確認しただけだろ?強く叩いてねーし」
「そういう問題じゃありません……コイお姉さん大丈夫ですか?」
イルーナ君はボーッとしてる私の頭を優しく撫でてくれるけど、勿論そんなに痛くなかった…多少は痛かったが。
私の視線は赤い服を来た男の子に目が行くと向こうも何だかバツが悪そうに言う
「なんだよ?」
「えっと……誰?」
思わず思ってた事が口から出てしまった
ついさっき頭を叩かれた相手に言う言葉じゃないのはわかってるのに…!
このままでは第二波が来るかも知れない
小人さんのは理解出来るのに……なんか思い出せない。
これが半年のブランクなのか?
でも、イルーナ君、サーシャちゃん、今此処に居ない小人さん達の名前だって浮かぶ
こんな状況でもスヤスヤ眠るニーチェの名前だって
小人だしお揃いの服も来てるんだもん…きっと七人の小人さん