31
子供みたいに手を上げて私から取れなくてしまう姿は本当にさっき格好良い感じに王と話してた人物?
しかも身長の差で取れないと言うまた悔しさも込み上げる。まだ成長期のカインだからこれからもっと大きくなると思うと…嬉しい半面何だか切なくなるなぁ…
「って私は子供の成長を喜ぶ母親かよ!」
「何を叫んでるのだ?おい、予備の物を渡してやれ」
1人ツッコミをしてる私にイケメン執事が隣の部屋へと案内する
予備?
そんなの有るのか!
「おいっ!」
「何もしない、少し話があるのだ」
カインが叫んだけどあっかんべーをしてイケメン執事について行く私
だからカインと継母の話なんて知らなかった
「今なら我が娘と結婚を許しても良い」
「はぁ?」
「国の情勢も変わってるし、鏡が写した様な結婚生活をさせない様な気がしてな」
「…よく意味がわからねーけど、あの女と結婚生活?考えらんねー。前までなら国の為に仕方なく結婚したかも知れないけど…好きな奴が出来た以上、俺はアイツしか考えられない…勿論、側室なんて必要無い。アイツが居れば…この世界に残って俺の姫になってくれればそれだけで良い」
「だろうな」
「おいっ!」
「答えはわかっていた、だか聞きたかったのだ。呼び寄せてしまったのは私だか空間管理のルールは変わらない。姫にならない選択肢も選べる」
「それをその鏡で見れねーのかよ、コイがこれからどうするかとか…アイツの気持ちとか」
「ふふ…どうするかはもしかしたら見れるかも知れないが…異世界の人間の行動は解らぬ。それが出来れば我が娘が好いてる相手の気持ちを読むに決まってるだろう」
「……だよな」
「本来優秀な人物な癖に自信が無いのがノクターンの第二王子の特徴と聞いてるが…姫には出来ないのか?」
「……ムカつくな」
「あの兄妹が大人の姿になるのが楽しみだな」
「性格悪っ!」
「当たり前だろう?私は…魔女だからな」
イケメン執事から小瓶を分けて貰って2人の元に戻ると相変わらず機嫌が悪そうなカインと面白そうな顔をしてる継母がいた
「王妃様が笑う事など久し振りです」
後ろからイケメン執事がボソッと言うのを見て振り返ると執事が笑顔になってる
おお!
やっぱりイケメンの笑顔は凄いな
「そうなんだ」
「はい、貴女は不思議な人ですね?」
私?
私が関係して笑ってるの?
「私はただの行き遅れの生贄ですから」
「申し訳ありませんでした」
皮肉くに言うと頭を下げられる
なんか急に立場が上になってるのは気のせいかな?
「コイ、何の話してるんだよ!早くこっちに来い!」