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「その顔は無いな」
サラッと言われたけどその通りだよ
「だって、2人に会わないといけないなんて知らなかったし?昨日の夜に捕まって聞きたい事の半分は聞けたけど継母にはまだ聞きたい事有るけど王が一緒の時には聞けないよ……白雪姫関連だし」
旅の途中でお城を見つけて挨拶してさようならってのは駄目なのかな?
「解った」
そんな事を考えてるとカインが私を見つめるのを止めて何やら考えてる風に見えた
そんな顔も格好いい……と思うのは好きとかだからじゃない!
美形だからだ!
あのボロボロになってたイケメン執事だって見た目がボロくても全体的には格好い感じだったもの!
「……何言い訳考えてるんだか」
「何か言ったか?」
「ううん、別に」
ヤバイ、心の声が駄々漏れだった、その時丁度身なりを整えたイケメン執事が来た
「お待たせしました、これから王と王妃と会えますがノクターン国なの第二王子との謁見と言う事でお願いします」
「勿論」
「貴女は何も話さなくて良いですから、王子の付き添いと言う事でお願いします」
「言われなくてもわかってますよ」
つか王子の付き添いがこんな怪しい姿でいいのかよ
王に突っ込まれたりしないのか?
そう思ってると扉が開く
扉が開くとテレビで見た様なイギリスのお城みたいな大木な広間、紅い絨毯の先には2人の男女が居る
継母の姿もさっきみたいに黒っぽい服じゃなくてなんか華やか、きっとその隣に居るのが王様なんだろう。
だけどなんだろう?
2人の格好は華やかで広間も素敵なのに凄く暗い印象
沢山あるカーテンが開いてないのもそうだけど…全体的に淀んでる感じ
なんだろう、お金持ちの大きな家に来て何不自由なく暮らしてる家族の筈なのに冷えきってる家庭環境みたい
カインに付いて行くと2人が座ってる場所より少し遠い所で騎士みたいな人に遮られた
持ってる槍みたいなのでバッテンされてる感じで止められた
なんだろう…身なりは王妃と同じく上質感してるけど…なんか目が虚ろっぽい?
もしかしてお酒とか飲んでる系?
「ノクターンの王子が何の様だ?失礼だが今、国は戦争中だろう?協定国でも無い国に用が有るとは思えないが?」
王は私の姿を見向きもせずカインだけを見つめてる。
こんな変な姿に一切触れないのも逆に凄くない?
それだけ白雪姫探しに必死って事かな?
でも今の声で判ったのはやっぱりお酒飲んでるよ!この王様!
だから近くまで近寄らせなかったのか?