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「わかった、白雪姫が幸せになればその男もどうでもよいし兄妹達も元に戻そう。お前も向こうに帰ればいい」
「…………」
継母の最後の言葉にチラッとカインを見るとまだイケメン執事と話してる
内容は聞こえないけど外見的には絵になるなぁ……美形って
「きゃっ!」
バサッっと目の前が暗くなって思わず声を出す
「安心しろ、今の王にこの生……女の姿は見せない方が良い、いくら行き遅れでも目をつけられたら厄介だ」
直ぐにローブのフードを取ると継母の顔に剣を突き出してる風景が見える
私を見て話して無いって事はカインか……つか、今『生贄』って言おうとしたのを止めてくれたのは良いけどだったら行き遅れも止めてくれよ!
「目をつけられたら?」
「今の王は女に見境いが無い、王子の連れ添いとして謁見した方が良い」
「ならコイは行かせない!会うのは俺だけにする!そんな事聞いて会わせられるかよ」
「……本当に溺愛だな」
もう~イケメン執事がまた継母の前に出るけどアンタもうこれ以上傷つけられたら大変だよ…?
女に見境いが無いって言葉でやっぱり心がズキっとなるのは昨日のカインのせいだ……あぁ、かなり好きなんだなぁ……自分
「駄目、私も会うの」
「でも……」
「此処で待っていろ」
「判った」
不服そうなカインをまた梨子風に説得する事に成功すると継母の歩みが止まる
大きな扉の前で私とカインがを残して継母達は居なくなった
きっとこの中に王が居るのかも知れない。
一応『謁見』なのに継母と同伴出勤みたいなのも変だもんね。
…それにあのイケメン執事の格好はなんとかしないと追い剥ぎに有ったレベルだし。
いくら王でも気になるから着替えた方が…って
「カイン、そんなに見ないでくれる?」
「見てるだけだろ?何もしてない」
フードを被ってても凄く感じる視線に耐えられなくて言うと当たり前の様な事でも有るように言う
継母達が居なくなった瞬間、カインに抱き締められた私は『謁見するんだからそう言うのは後』とどういう意味にも捉えられる事を言って離れて貰った。
「なぁ、あの女の事に触れないで何の話をするんだ?」
「え?」
「だってお前が会いたい人物は継母だろ?王に聞きたい事とか有るのか?」
「王に聞きたい事……」
『白雪姫の虐待』とか『これ以上探すのを止めろ』とか『このロリロン野郎』とか……
継母にはまだ聞きたい事はある!
毒リンゴの件ってまだ聞いて無いし、協力して欲しい事とか……それに比べて王は……