23
翌朝、太陽が昇る前に来た継母が私には女神に見えた
「お願い!トイレ行かせてぇ!よくわからないけど私も白雪姫は助けたい派なの!お願い王妃様!」
「トイレ?」
「尿意です!漏れそうです!」
もう恥ずかしい時期は過ぎた
今ならカインにもなんなく聞けそうだ。
「………そこにある…妙な真似は……」
「致しません!!」
突然叫んでた私の顔を見て継母は拘束を解いてくれた…あまりにも酷い顔をしてたのか、『王妃様』なんて言ったから頭がおかしくなったのかと思われたかも知れないけどそんな事はどうでもいい!
牢獄の端の扉を開けると念願の場所!
スイートみたいな部屋に無いのにこんな質素な牢獄にあるなんて……絶対間違ってるよ、この城!
「ふぅ……有り難うございました」
「もしかして、昨日の夜彷徨いていたのは…」
「そうですよ…ずっと探してて…」
安堵にフラフラになりながら自分から元の拘束場所に戻るが鎖は繋がれなかった
「客間のを使用すれば良かったではないか」
「え?あったの!?」
もう敬語を止めた私を継母は呆れた様な顔で見つめて頷いた
「客間には全部、私は城の中を調べてるのかと思っていた」
「どうして気づいたの?」
「鏡だ」
「ですよねぇ…」
何を分かりきった事を聞いてるんだか自分
その鏡で私はこちらに引き寄せられたのに。
「どちらにせよ、城の中を調べて王の側近に見つからなくて良かった」
そう言えば昨日そんな事を言ってたな…行き遅れでも手を出すとかなんとか…。
「王は今この城に居るの?」
「居る、だか精神状態が尋常じゃない。あんな状態で捕まらせるわけにはいかなかった」
「だから捕まえられたのか」
逆に継母に
「どっちみち、朝になれば2人共先に私の所に連れてこられる筈だったがな」
「そりゃそうでしょ?私達は継母に会いに来たんだから」
今の所、王には要は無い
あったとしても先に継母と話したいもの
「それは無理だ」
「え?」
継母から話を聞くとどんなに王妃に謁見をしたいとお願いしても王が居る限り2人と同時に会わなければいけなかったらしい。
だから夜に私達を案内させたのは継母側の執事だ
鏡で私達が来るのを見てたから直ぐに対応したみたい
「そうだったんだ…じゃあ遅かれ早かれ拘束されたの?」
「あぁ、後少しすれば王子も連れて来る。どうしても2人には言わないで欲しい事があるからな」
段々と太陽が昇る
暗いこの部屋も少しずつ明るくなってきたけどやっぱりどこからどー見ても『牢獄』
きっとカインはまだ、あのフカフカのベットで寝てるんだろうな…ちくしょう!!