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「7人の兄妹も王子も問題なのだ!白雪姫は結局幸せにはなれなかった……だから白雪姫を逃がす人物をお前と同じく呼び寄せてその男と違う世界で幸せになれるようにしたのに……空間管理者のルールだけは変えられず……」
私の言葉を遮って継母は怒鳴るような声で話して悲しそうに顔を伏せた
兄妹が問題?王子が問題?
私と同じくって岡本さんの事だよね?
「あの……」
「とにかく、王の側近に見付かったら危ない、今の王は行き遅れだろうと多少白雪姫より見劣りしてるが綺麗な女なら誰でも良いはず……此処に居た方が安全だ。朝になったら開放するから待っていろ」
は?
「ちょっとっ!行っちゃうの?嘘でしょ!?」
身体を動かそうとすると手足が痛いから声で消えてく継母を呼び止めるけど無情にも居なくなってしまった
「…なんなのよ、行き遅れとか凄く失礼な事言ってたよね?」
でも……私の身の安全を考えてくれた……?
だからってこんな牢獄みたいな場所で疑問だらけで一夜を過ごせって……身体的にも精神的にもなんつー拷問だよ、継母。
全体の発言で感じた事は思った通り白雪姫を殺したくなくて寧ろ幸せにしたいって事。
それに私を王から守ってくれてる現状は私を殺そうとしてない事
でも生贄って言われたり……白雪姫が幸せになる相手が問題だから要は差し換えたいって事でしょ?
その問題の王子って……カインだよね?
しかもイルーゼ君達も問題が?
「…………」
皆凄く優しい7人だ、1人を除いて。
しかもさっきまで恋愛ムード的な展開を繰り返してた相手が問題の相手?
薄暗い部屋には小さな窓がある
勿論、お決まりの鉄格子付き。
月の光と蝋燭の灯りだけがなんとか私の気持ちを落ち着かせた
「今なら……向こうの世界に戻りたいかも……」
継母が言ってた空間管理者のルールだけは変えられなかったって…。
だからどんなに生贄として呼ばれても3回のチャンスは有るって事だよね?
それから『白雪姫』に決めるのは……こっちに権利が有ると思いたい。
幸せになれる筈の白雪姫の相手が問題じゃ私もお伽話の様に幸せになるとは限らないじゃんかぁ!
「あっ…あー!思い出しちゃったよっ!尿意!!」
さっきまでは忘れてたのになんで今思い出しちゃったんだよ!
こんな拘束状態じゃ動けないし誰かが来る事は絶対に無い
来るとしても朝にならないと来ないだろう…継母は。
さっきまで私を落ち着かせてくれた月の光りも今は憎い!
一応、大人ですから絶対に漏らすなんて…
「出来ないよぅ…」
身体的苦痛がまた増えて眠れない辛さ …
こんなに辛い事が今までに有っただろうか…
勿論眠れない夜を過ごした